右折時の事故は年間2万5000件起きている!
最近世間を騒がせたのが、某若手俳優による事故。信号無視などとともに大罪となるひき逃げを起こしたことで、大事になった。本来、どんな些細な事故でも救護義務(手当だけでなく、通報なども含む)が発生するので、それを放棄してしまったのだから、非難されても仕方がないだろう。しっかりと対応していれば、事後の補償は大変だとしても「若手俳優が事故」程度の報道で済み、役者生命も断たれなかった可能性は高い。
今回注目したいのは、そのさらに前段階のUターンしたときに気が付かず、バイクとぶつかってしまったという点。Uターンも含めた右折と直進がぶつかる、いわゆる右直事故だ。2019年に起こったすべての車両同士の事故の原因を見てみると、「右折時」は3万1488件となり、「その他」を除いて第2位の原因になっている。
右直事故の場合、一般的なのは信号のある交差点内で、行けると思ったけど、間に合わずぶつかってしまったというパターン。もちろん信号がない場所でも起こる。さらに顕著なのが直進するバイクが被害者になるもので、バイクの事故原因でも多く、年間約2万5000件にも上るというデータもある。
右直の場合、バイクが被害に遭う例がほとんどで、理由は速度感と実際の速度に差があるから。教習所や免許更新での講習で習ったかもしれないが、バイクは小さいため、速度が遅く見える特性がある。これは目の錯覚なので経験とかは関係なし。たとえば白バイ隊員に「向こうから来るバイクの速度はどれぐらい?」と聞いても、ほぼ全員が実際より、遅いスピードを言うというほどだ。
話題になった事故では、まさにこれが原因だと思われる。防止するには、バイクに乗る人は、前方の右折しようとしているクルマは出てくるかもしれないと思い、一方のクルマは右折する際には無理に出ようとしないことだ。
ちなみに事故が起こったときの過失割合は、右折車が8で、直進車が2となるのが通例。ただ、Uターンの場合、行なったクルマが向きを変え終えていたら、過失は7対3になる。ただ、多くのクルマが走って来るなかを、無理矢理に曲がったり、Uターンした場合は注意しようがないし、強引さもあってほぼ10対0になった例もある。
右折矢印信号を増やしたりして、対策は進んでいるが、いずれにしても、とくに右折時は無理をしない、確認を怠らないというのが最大の防衛策になるということは肝に命じておいてほしい。
また例の事故では、その場から立ち去る、ひき逃げをしているが、これは大罪になるので、どんなに軽くてもとにかく止まって対応すること。人が絡まない物損は当て逃げになって、ひき逃げよりも罪はかなり軽くなるが、逃げることに対して罰則が設けられているわけで、こちらもチャンと止まって対応するようにしたい。