ステアリングやスクーターメーターが作ったクルマも存在!
よくあるのが、じつはこんなものも作ってます&作ってました、という意外ネタ。今だと、ホンダが「社食のカレーうどん」をレトルトにしたり、日産の金型技術を投入した柿の種などが話題になっていて、ノベルティ的な面白さはあるものも。
しかし、本気で業務の柱にしようとしたものも多くて、例えばトヨタの家やホンダの飛行機など、いろいろとある。成功したものもあるし、なかには失敗も……。今回はユニークなものを集めてみた。
1)ナルディのクルマ
ナルディといえばステアリングのメーカーというか、トップブランド。しかし、過去にはクルマを作っていたというのはあまり知られていない。正確にはステアリングを手がける前、学生時代から自動車の開発を行なって、ランチアでのテストドライバーなどを経て、ナルディとしてオリジナルの車両を作って、レースで活躍した。
2)ベスパのクルマ
ベスパといえば、イタリアのおしゃれなスクーターメーカー。しかし、一時、4輪の参入を目指して、ベスパ400というクルマを作ったものの、小さすぎたのか販売はパッとせず、ライバルのFIAT500の存在もあって、このモデルだけで目論見は破れてしまった。
ちなみに3輪だとアペというトラック(中身はスクーター)は大ヒットして、今でもイタリアでは、日本の軽トラ的に愛されている。
3)ブリヂストンのバイク
自転車は今でも作っているものの、その昔、バイクに力を入れていたのは知る人ぞ知るところ。もともとは今のスバルとも近かったことから、最初はエンジンを供給してもらって、自転車に付けたモペットだったのが、最後は自社開発。1960年代はかなり力を入れていたが、結局不振で1966年に撤退してしまった。
4)スズキは盛りだくさん
ご存知の方もいると思うが、ハンガリーに工場があることから、ハンガリーワインやはちみつを輸入して販売。現在は関連会社が手がけているが、そこでは国産のトマトジュースやドイツの塩まで売っている。
さらにセンサーなどの技術を利用して、医療用精密機器を作っていたり、ボディプレスの技術を使ったのがきっかけとなったスズキハウスなど、かなり積極的だ。
5)ランボルギーニのトラクター
ポルシェもトラクターを作っていたが、現在は終了。ランボルギーニもルーツがトラクターにあるほどで、クルマとは切り離されてはいるが、現在も新車が買える。しかも、手がけるのはコーンズ。クルマではライバルのフェラーリを扱っているというのも面白いところだ。もちろんデザインは斬新で、ジウジアーロが手がけていたりする。
番外 終戦直後の日本メーカー
敗戦で作るものも、さらに言えば材料もなかったし、そもそも自動車を作ること自体は軍事復活もあり、GHQから禁止されていた。それでも食べていかなくてはならなかったのもまた事実。そこで、各メーカーはなんでも作って、まさに日々をしのいでいた。ボディ作りの技術を活かして鍋釜なんていうのも珍しくなかったし、スバルがラビットを作ったのも戦闘機の尾輪があったからだったりもする。さらにトヨタは竹輪を作っていたという。今あったら食べてみたい気が……。