バッテリー液やエンジンオイルなどは蒸発する
毎年酷暑続きだし、クルマというものは場所によっては季節を問わず高温にさらされる。そうなると気になるのが、各部に使われている油脂類を始めとする、液体モノは蒸発しないかということだ。結論から言うと、厳密にはする。
まず常温で蒸発するのがアルコールを主成分としたウォッシャー液で、蒸発しやすいからこそ、ウインドウに噴射してもスッと乾いてくれる。
そして高温になる場所はもちろん蒸発しやすく、冷却水はこれに当たる。
化学反応が起こり、蒸発しやすくなるものもあって、それがバッテリー液。サイドのラインで液量を確認するのがメンテの基本となっているのはこのためだ。さらに搭載位置によってはエンジンからの熱も受けやすく、6つある部屋毎に液量の減り具合は違うので注意したい。
そして意外なのが、エンジンオイルだ。オイルの性状にはさまざまな項目があるのだが、このなかにはNOACK(ノアク)と呼ばれる項目があって、蒸発損失を表している。試験としては真空状態で250度に熱して減る量を見るもので、1時間で1割ぐらい減ることもあるので、予想以上に蒸発すると言っていい。ちなみに蒸発しくいということは、熱安定性に優れるオイルということになる。
オイルの場合、粘度が低いと蒸発しやすくなる傾向にあるので、昨今の0W-8や0W-16といった超低粘度オイルではこの点がハンディとなりがちであり、今まで以上に定期的な点検が必要となる。
そのほかの液体モノでは、蒸発するとはいえ、気密性を高めるだけでなく、バッテリーのように蒸発したものを循環させて元に戻すようにしてメンテナンスフリー化を進めているものもある。この場合は点検は必要ないが、そのほかのものは見るだけでいいので、定期的にチェックするようにしたい。