どんなに条件が良くても必ず劣化してしまう
毎年酷暑続きで、人だけでなくクルマにもさまざまなストレスがかかるのは当然のこと。となると、劣化が気になるが、数ある部品のなかでも“生もの”とされるゴム類はどうなってしまうのかということ。
ゴムというのはご存じの方も多いと思うが、内部に油分が含まれているおかげでしなやかさや柔軟性が保たれている。それが抜けることでカサカサになったり、柔軟性がなくなって亀裂なども発生する。身近なところでは、輪ゴムは新品のころはよく伸びて、よほど引っ張らないと切れることはないが、しばらくすると硬くなってくるし、表面にはヒビができてきて最終的には伸びる前にプチンと切れてしまう。
これと同じことはクルマのゴム類にも起こっている。具体的にはタイヤ、窓枠、ワイパーなど。ただ窓枠については、その昔は固定するウェザーストリップはゴム製だったが、最近は接着剤を使うのでモール的な最小限の使用にとどまっている。
とはいえ、あちこちに使われているのは事実で、結論から言うと使用材料によって、延命は図られているが確実に劣化は進む。極端ないい方をすれば、劣化しないゴムはない。
しなやかなほど劣化も進みやすい。タイヤはその代表格だし、ガラス面に追従させるために柔らかいワイパーゴムも同様。タイヤのメンテで、溝が残っていてもヒビが発生していたら寿命と言われるが、乗らなくても劣化は進行していくというのはいい例だ。また、ワイパーゴムも使用頻度が高くなくても、早ければ1年ぐらいで引っ張ると裂けてしまうことがある。