今後はさらに採用するメーカーや車種が拡大されていきそうだ
国産自動車メーカーの通信技術スタッフと話をしたときのこと。彼いわく、今後の新型車には、通信機能が不可欠。いや、通信機能の搭載が常識となる……というのだ。
自動運転でも欠かせない通信機能は、今や軽自動車、コンパクトカーから高級車まで、さまざまなクルマに搭載されている。その機能でとくに注目すべきは、ヘルプネット、SOSコールと呼ばれるものだ。昨今、高齢者の事故やあおり運転被害などがニュースになっているが、緊急通報システムのヘルプネット、SOSコールはドライバー、乗員に絶大なる安心をもたらし、それこそ命を救ってくれることさえあるのだから、クルマの先進機能としてのプライオリティーはもはや極めて高いものになっていると言っていい。
そんな緊急通報システムのヘルプネット、SOSコールは、車載通信機器(DCM/SIM)と前席部分にあるマイクとスピーカーで構成され、車種によって標準装備とオプションの設定に分かれる。また、ヘルプネット、SOSコールは任意でオペレーターに接続し、さまざまなサービスが受けられ、緊急事態では警察や消防への取次などを行ってくれるほか、エアバッグの展開と連動し、たとえドライバー、乗員が意識を失っていても、オペレーターに自動通報される仕組みになっている。
現在ヘルプネット、SOSコールの利用が可能な国産自動車メーカーは、レクサス、トヨタ、日産、ホンダ、マツダで、レクサスはほぼ全車に標準装備。トヨタはアルファード、ヴェルファイア、カムリ、カローラ、カローラスポーツ、カローラツーリング、グランエース、クラウン、C-HR、プリウス、プリウスPHV、ヤリス、RAV4、ハリアーなどに標準装備され、オプション設定としている車種も、シエンタやヴォクシー、ノアなど数多い。
デイズに軽自動車としてヘルプネット、SOSコールを初搭載して話題になった日産は、その後ルークス、キックス、プロパイロット2.0搭載車に標準装備(デイズはオプション設定)。マツダはマツダ3、CX-30に標準装備。ホンダは基本的にほぼ全車にオプション設定としている(2020年6月現在)。時代の流れとしては、これから順次ヘルプネット、SOSコールを採用するメーカー、車種が拡大されていくことは車載通信機器(DCM/SIM)の搭載とともに間違いないだろう。