カタログからでもクルマのキャラクターが分かる
この1台で決まり!! そんなお目当てのクルマがあればともかく、多くのクルマから自身にぴったりの1台を探すには、まずは下準備として、カタログなどで比較しておくことが大切だ。いきなりショールームに出かけようものなら、百戦錬磨のセールス氏のいわれるままに決めてしまうことだって、あまりクルマに詳しくない人は、ありがちなのである。
では、カタログ(webカタログを含む)を手に入れたとして、どこに注目すればいいのか? もちろん、価格、スペックは重要だが、装備や機能だって気になるはずだ。
とにもかくにも、新車のカタログはたいそうなお金をかけ、クルマの魅力が最大限に伝わるように苦心して作られている。そんなカタログで、最後のほうのページに記載されている諸元表ばかり気にしてはいないだろうか。カタログだけでクルマのキャラクター、自身のクルマ選びの条件に合うか……を見極めるには、カタログ全体の見せ方に注目すべきである。
たとえばトヨタRAV4。先代までと違い、いきなりオーストラリアの荒野を疾走する絵が展開されている。ここで、「むむっ、今度のRAV4は悪路にもこだわったオールラウンド性能に舵を切ったな」と理解できれば、正解。実際、そうなのである。逆に、トヨタ新型ハリアーのカタログは、イメージ写真と都会の絵がメインで構成されている。「ははぁん、ハリアーはやっぱり新型になっても都市型SUVなんだな」と理解できればOKである。
さらに、自身のライフスタイルにドンピシャに合うクルマかどうかをカタログで見極めるには、本カタログの内容、見せ方もさることながら、じつはアクセサリーカタログの内容にある。そう、アウトドアや車中泊に強いクルマは、本カタログでの紹介に加え、アクセサリーカタログに多くのアイテムが掲載されているのだ。一例を挙げれば、スズキ・ハスラーのアクセサリーカタログには、アウトドア、車中泊アイテムが満載。
ところが、同じクロスオーバー軽のライバルと目されるダイハツ・タフトのアクセサリーカタログには、アウトドアアイテムはあっても、車中泊ファン御用達のダイハツ・ウェイクと違い、車中泊アイテムは見当たらないのである。これはズバリ、タフトが車中泊を想定していないクルマという証。
実際、シートアレンジを駆使しても、車中泊は困難。カタログだけで車中泊前提のクルマを選ぶとしたら、この両車の選択では、カタログだけでもどちらが適切かの判断がつくはずである。
ある程度、クルマの分かる人にとって、パワー、トルクに関してはその数値で加速性能の良し悪しがだいたいイメージできるものだが、実用車では高性能かどうかなど意味なし。むしろ重要な走りやすさを見極めるには、最大出力、最大トルクの発生回転数に注目すべきである。その回転数が低いほど、低速域からパワー、トルクが出て走りやすいことになる(一般論だが)。