今やお宝扱いの「AE86」! まったく特別じゃなかった「新車現役時代」の立ち位置とは (1/2ページ)

カローラセダンをFFにする一方でレビン・トレノはFRに

 土屋圭市のドリキン伝説と、漫画イニシャルDの大ヒットで、今でも驚くほど特別視されているAE86。そんなAE86がデビューしたのは、今から37年前の1983年。レビン・トレノシリーズとしては、初代のTE27、2代目のTE37、3代目のTE71に次ぐ4代目。

 歴代レビン・トレノは、カローラセダンがベースで、この頃、トヨタのカローラは世界最多量産車として、売れに売れまくっていた。

 そこで1983年、5代目カローラが登場したとき、本命のカローラセダンはFFにする一方で、レビン・トレノはFRを継続させる決断をした。同一車種、しかも大衆車でFFとFRがあるというのは異例中の異例で、当時のトヨタにしかなしえなかったことだろう。

 その代わり、AE86のシャシーは先代のTE71とほとんど同じ。ただエンジンだけは、TE71がDOHC2バルブ 1.6リッターの2T-Gだったのに対し、AE86はDOHC“4バルブ” 1.6リッターの4A-Gに進歩。4バルブになったとはいっても、グロスで130馬力、ネットでは110.5馬力だったのでさみしいものだったが、ラリーやジムカーナ界では、「待ってました」の大ニュースだった。

 一方、ストリートでは、スカイラインやフェアレディZ、RX-7やセリカなどが一軍で、スターレットやランタボ(ランサーターボ)、TE71などがエントリーモデル的な存在。

 AE86はその中間的ポジションだったが、新車のGTで130万円、GT APEXでも160万円という安さはかなりの魅力。おまけにTE71から流用できるパーツが多かったので、ちょこっといじれば峠仕様の完成!

 車体の軽さを生かして、峠では2リッタークラスのスカイライン2000RSやセリカXX2000GTを追いかけ回せるということで、評価が急上昇していった。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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