「縁の下」から「ステージ上」へ! いまクルマの世界で突如「生産技術」が脚光を浴びるワケ (1/2ページ)

実際に形にするための技術も大幅に進化している

 最近、各自動車メーカーでインタビューをするとよく出てくるのが、生産技術という言葉。もともと新車系のインタビューといえば、責任者やメカニズムの開発者、デザイナーあたりにするのが王道だ。それが最近では実際に現場から生産技術の担当者が、インタビューに登場してくれることも多くなってきた。

 この生産技術とは、簡単に言うと読んで字のごとく、クルマを実際に作る技術のこと。効率よく作るだけでなく、形にできる・できないといったことも含めることが一般的だ。また、生産ラインの設計も担当する。つまり、デザイナーがどんなに素晴らしいラインやシルエットを作っても、どんな素敵なボディカラーを設定しても、さらには設計者が図面をちゃんと作っても、現場で「それは無理」と言われてしまえばそれまで。絵に描いた餅になってしまうのだが、大量生産を前提とした工場だけに、なんでもかんでもできるわけではないというのは素人にもわかる。

 今までは開発陣やデザイナーと、生産技術者との間では喧々囂々になることが多かった。理想の形にできるだけ近づけたいという想いと、いかに効率よく、不良品を出すことなく作るかという、物作りの現場の意見がぶつかり合う訳で、障害とは言わないまでも、苦労することは多かったようだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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