東名も東北道も中央道も直結なのになぜ? 「関越道」だけ「首都高」と繋がっていないワケ (1/2ページ)

外環道や圏央道が機能する今、あえてつなげるメリットは少ない

 日本の首都、東京に張り巡らされた「首都高速」は、都内を移動するための自動車専用道路としてだけでなく、日本各地につながる高速道路のハブ的役割も担っている。東名高速は3号線に、中央道は4号線、東北道はS1線、常磐道は6号線、7号線は京葉道路などにつながっている。

 しかし東京から見ると、長野・新潟方面に向かう高速道路「関越自動車道」だけは首都高速とダイレクトにつながっていない。たしかに東京外環道を使えば、一般道に降りずに関越道に乗ることはできるが、ほかの高速道路がダイレクトに首都高速につながっていることを考えると、いかにも不自然だ。路線図の全景を見ていると、本来であれば5号線が関越道とつながっていてもおかしくない。じつは、もともと5号線は関越道につなげる計画だったというまことしやかな噂もある。

 とはいえ、現実的には関越道と首都高をつなげるのは、選択肢としてはあり得ない。

 都心の渋滞を軽減するために、首都高よりももっと大きな円形ハブである「圏央道」が建設されたのは、首都高を使うことなく東名・中央道・関越道・東北道・常磐道・東関東道を往来できることが目的だ。いまさら首都高と関越道をつなぐインセンティブはない。まして前述のように外環道を使うことを考えれば、実質的には首都高5号線と関越道はつながっていると考えることができるからだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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