アコードは今後のセダン市場を支える重要な1台
ホンダ・アコードは1976年に初代が登場し世界中で大ヒットを記録した人気モデルだ。今回10代目となる新型が国内マーケットにも登場し、試乗機会に恵まれた。
「国内市場にも」と紹介したのは、じつは2017年から北米や中国市場においては投入されており、すでに高い評判を確立しているからである。おりしも国内マーケットはセダンモデルが苦境に立たされており、ホンダも基幹車種の「シビック・セダン」、「グレイス」などの生産を2020年8月をもって終了するというリリースを発したばかりだった。そんな状況のなかであえてセダンのアコードを投入するということは、国内でのセダン市場はアコードで支えるという意味も含まれていて、海外での高い評価実績と完成度に自信を深めての投入だと考えられる。
そんな10代目アコードは2リッターHV(ハイブリッド)のワングレードのみの設定となった。トヨタ・カムリが2.5リッターHVの設定だけに集約したのに真正面から対抗するかのような位置づけといえる。
では実車を見てみよう。車体のディメンション的には全長が45mm短くなったものの全幅は10mm拡幅されている。視認性向上のためAピラーの立ち上げ角度を大きくしたことでボンネットフードが長く見えるのとリヤウインドウがクーペスタイルに滑らかに描かれていることで、見た目的には大きくなった印象を受ける。
室内も同様で、運転席まわりはフルサイズセダンに乗り込んだかのような広さと豪華さを感じさせる。
エンジンの始動は「スタート/ストップ」ボタンで行い、ドライブレンジはレバーではなくボタンスイッチで行う。今回のパワートレインはe:HEV(イーエイチイーブイ)と呼ばれる新開発のもので、駆動はすべて電動モーターが行いエンジンはほとんどの状況で発電機の駆動に徹するというシリーズ方式だ。これは先に登場している新型フィットと同様のシステムである。