日本のスポーツカーの魅力を海外に伝えたのはグランツーリスモ
日本車は、カッコいい。そうしたイメージを海外で広めたのは、間違いなくグランツーリスモだ。カッコいいクルマといっても、見方はいろいろある。
典型的なのは、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーだろう。また、映画でのカーバトルで昔から馴染みがあるのが、フォード・マスタング、GMシボレー・カマロ、FCAダッジ・チャージャー/チャレンジャーなど、いわゆるマッスルカーだ。高級車となれば当然、ロールスロイスやベントレーである。
こうした定番路線のなかで、日本車の位置付けは長らく、大衆車の枠から出ることがなかった。カッコいい日本車として、1970年代から世界で認知されたクルマに、日産フェアレディZがあるが、映画やテレビの世界では”古典的なジャパニーズスポーツカー”というイメージが強かった。
こうした日本車イメージが、ゲームの世界でイメージが一気に変わった。WRC(世界ラリー選手権)での実績を踏まえた、スバルWRX STI(当時)と三菱ランサーエボリューションの存在が、外国人の心に刺さった。
ゲームのなかで、2リッター級エンジンながらそれぞれ独自の四輪駆動技術を駆使して、アメリカンV8モンスターたちを追い回す姿に、外国人たちは熱狂したのだ。
さらには、日産スカイラインGT-R(R34)までは北米などへの輸出がなかったが、スーパーモデルであるGT-Rの存在を外国人が改めて知ったことも、カッコいい日本車への意識転換を大きく後押しした。