クルマのバージョンアップも第五世代通信でやりやすくなる
よく耳にする5G。Gとは、ジェネレーション(世代)を意味する。1980年代、アナログからデジタルへと通信インフラが発展し始めたころが第一世代として、スウェーデンのエリクソンなど世界市場で大手インフラ各社が協議のもとで、段階的に通信システムをアップグレードしてきた。
日本では2020年3月24日、NTTドコモが5Gの実用化を始めた。auやソフトバンクも追って市場導入する。
5Gの代表的なメリットは2つ。ひとつは、送受信できる時間あたりのデータ量の増えること。もうひとつは、通信による遅延が大幅に減る点だ。
前者では、たとえば映画などの時間が長くデータが重いコンテンツをダウンロードする場合、必要な時間はこれまでの数分間レベルから一気に数秒レベルに短縮される。これをクルマに置き換えると、車載器へのデータダウンロード時間が短縮されるため、先進的な運転支援システム(ADAS)などのソフトウエアを通信でアップデートする、いわゆるOTA(オン・ザ・エア)で大きなメリットがある。
OTAはテスラなどですでに活用されているが、トヨタも2018年から新車での標準装備化を始めたDCM(データ・コミュニケーション・モジュール)を活用したOTAを今後、本格的に導入する構えだ。
ユーザーにとってはスマホのバージョンアップのように、クルマのバージョンアップが5Gによってやりやすくなる。