パワフルではないが扱いやすい0.9リッターターボ
メルセデス・ベンツのコンパクト、というよりもスモールカーといったほうが、なんとなくイメージに合いそうか? スマート・フォーツー、そしてスマート・フォーフォーにターボモデルが追加された。
それにしてもダウンサイジングターボはシッカリと市民権を獲得し、欧米のクルマは、ボディサイズの大小にかかわらず、ほとんどがダウンサイジングターボを搭載。何をもってダウンサイジングと言ったらいいのかわからないほど浸透した。そして今回スマートが搭載したのは1リッターを下まわる0.9リッターターボだ。
まずはフォーツーから試乗。今回試乗車として用意されたのはソフトトップのオープンモデル、「smart fortwo cabrio turbo limited」だ。
フォーツーのターボモデルはほかにマットカラーを纏ったクローズドボディの「smart fortwo turbo matt limited」もある。それぞれボディカラーごとに台数が決められた限定車で、カブリオが合計200台、マットが80台となる。
さて、試乗車のカブリオ。ルーフはソフトトップのみが空く状態、ルーフの枠までハズした状態が楽しめる。
ちなみに、外したルーフの枠はハッチ部にキレイに収まり、ルーフの枠以外はスイッチひとつの電動操作なので気楽にオープンエアを満喫可能だ。
早速ソフトトップを空けた状態にして走り出す。0.9リッターターボは、はっきり言ってパワフルではない。合流や追い越し時にはアクセルをグッと踏み込む必要がある。では不足かと言われればまったく問題なく、踏み込めばレスポンスよく軽快に小型ボディを前に押し出してくれる。
すでにラインアップされている1リッター自然吸気エンジンでは、上りでちょっと苦しいシーンもあった。そうした領域が普通走れるようになった、というのが正直なところだ。
乗り味は独特だ。スマートに慣れた人なら普通に感じるだろうが、たとえば国産コンパクトから乗り替えると、段差乗り越えの前後のヒョコッとした動きに違和感を感じるだろう。とくに4輪のうちの1輪だけがギャップを乗り越える場合などは、少し不安になるようなボディ全体の動きを示す。これはホイールベースの短さゆえの仕方がない挙動。
先ほども述べたが「慣れ」の問題で、当然高速域などでの安定性はロングホイールベース車に比べれば負けるだろうが、シティコミューターという特性を考えればダメなわけではない。