ハイパワーターボ車は手の届きにくくなった
気づけば、クルマのエンジンの多くがターボである。かつてはハイパワーを誇るためのターボ全盛だったものの、今ではエンジンのダウンサイジングとセットでターボが使われ、軽量化、燃費の向上に役立っている。
そう、古いクルマ好きにとっては、いわゆるターボらしいターボとは別物の、より排気量の大きいNAエンジンのような、刺激の薄いパワーフィールをもたらしているのだ。
国産ターボエンジンで過激とも言えるパワーを絞り出していたユニットとしては、90年代のスカイラインGT-Rに搭載されていた日産RB26DETTや、初代アリストや4代目スープラで脚光を浴びたトヨタの2JZ-GTE、スバルのEJ20、つい最近では、マイナーチェンジしたスカイラインの400Rに搭載された405馬力のVR30DDTTなどがあり、どれも刺激的なターボユニットである。
ただし、VR30DDTTのようなガソリンエンジンは、今後、世界的な電動化の流れのなか、フェードアウトしていく運命にあるのも本当で、ターボらしいターボに乗るなら、今しかないというのが現実だ。ただし、スカイライン400Rの価格は560万円オーバー。手の届きやすいクルマとは決して言えない。
では、もっと手頃な価格で買える、ターボらしいエンジンフィールが味わえるクルマはないものだろうか? あります。
1)スズキ・スイフトスポーツ
まずは、ファンの間ではスイスポと呼ばれるスズキ・スイフトだ。こう言ってはなんだが、ズバリ、ノーマルのスイフトとは別物のクルマ。欧州でも通用するホットハッチであり、1.4リッターのターボエンジンはとにかく速く、元気いっぱい。
CVTではなく、トルコン式の6速ATまたは6速MTを採用し、ブォーンという勇ましい排気音をまき散らしながら、ターボらしいスポーティさと、モリモリとトルクがわき出る刺激的な走りを楽しませてくれるのである。ターボらしさを堪能するなら、6速MTのほうがさらに満足度は高いと思う。価格はどう考えてもお買い得すぎる187万円からである。