市場の動向は同社に体質に問題なしと判断している
2015年後半の、自動車業界における大きなニュースは、フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン制御に関する違法行為、いわゆる「ディーゼルゲート」と呼ばれる問題だった。排ガス測定を検知して、測定時だけ試験用プログラムを走らせることで試験をクリアするという行為が違法として問われたのだ。
対象となったのは、日本では販売されていなかった4気筒ディーゼルエンジン搭載車。問題の発生地となった北米では47.5万台、グローバルには1100万台が走っているため、大規模なリコール間違いなしと報道された。
そして、この問題によるブランドイメージの毀損により一時的に販売も低迷したが、すでにセールス面では好調な状態となっている。
グローバル市場は、同社の体質には問題ないと判断しているようだ。これだけの大問題になったのだから、二度と同じ過ちは繰り返さないであろう、と世界の市場は捉えているのだろう。
さて、問題となった4気筒ディーゼルエンジンの対応については、欧州では吸気系へのパーツ追加と制御プログラムの書き換えというリコール作業によって着々と解決に向かっている。
一方、アメリカでは制裁金については確定したと発表されているが、リコール内容は決まっていなければ、現状のオーナーに対する対応も確定していないという状況。
さらにポルシェも使うV6ディーゼルにおける同様の問題もクリアになっておらず、まだまだ解決したとは言いづらい。いずれにせよ、これからのフォルクスワーゲンは電動車両へ注力すると発表、ディーゼルエンジンは過去の話にしようとしている。
少なくとも日本においては「GTE」を軸にプラグインハイブリッドを次のパワーソースとして提案している状況だ。ディーゼルゲートをきっかけに、よりクリーンなクルマ作りへと加速しているという見方もできる。