SUVはブランドイメージを損なわず利益を追求しやすい
日本に導入されたばかりのジャガーFペイスをはじめ、マセラティ・レヴァンテ、ベントレー・ベンティガなど、これまでラフロードのイメージが薄いスーパーカーメーカーがSUVを出している。
さらに、ランボルギーニも、1980年代に登場させた「LM002」以来となるSUVであるランボルギーニ・ウルスを用意している。果たして、エキゾチックな魅力でブランドを高めてきたスーパーカーブランド、プレミアムブランドは、どうしてSUVを作り始めているのだろうか。
そのヒントとなるのは、やはりジャガーFペイスの存在だ。ジャガーブランドを生み出しているのは、ジャガー・ランドローバー社である。つまり、同社はクロスカントリービークルのトップブランドといえる「ランドローバー」、「レンジローバー」を有している。
そのなかで、ジャガー・ブランドのSUVを用意するというのは、プレミアムブランドのSUVはクロカン4WDとはバッティングしないことを意味している。少なくとも、メーカーは食い合いすることはないと考えているはずだ。
すでに世界的にSUVムーブメントが広がって久しい。スポーティなイメージを持つブランドがSUVを出したからといって、ブランドイメージを棄損することはない。
さらにジャガー・ランドローバーの判断から想像するにクロカン4WDとユーザー層が異なる。であれば、高価格に設定しやすいSUVに進出しない手はない。
通常のサルーンやクーペでは2WDがスタンダードになるが、SUVであれば4WDは前提となるため価格は上げられる。つまりメーカーの立場でいえば、利幅を大きくできるのだ。