細かい所に水が入り込みサビの原因になることがある
クルマ好きが、街のあちこちにいた良き時代。朝から夕方まで、クルマを洗い、ワックスを丹念にかけて続けていたものだ。その時代にたまにいたのが、洗いすぎ&ワックスかけすぎで塗装が剥げちゃったという人というかクルマ。
今の基準からすると、そんなことあるか! だけど、シャンプーやワックスには、汚れを落としたり、輝きを出すために、コンパウンドが配合されていることがある(これは今でも同じ)。また塗装自体も今よりも質が悪かったから、ホントに下地が透けてきたりしたのだ。まぁ、そもそも洗車のしすぎだろうけど。
今では、塗装の質は格段によくなっていて、ちょっとやそっとでは薄くなったりはしない。でも、洗車をどんどんやっていいとは言えないのだ。
現代での問題は水の侵入にある。新車から10年弱経った一部の車種で、じつはサビの発生が問題になっている。複雑なデザインや剛性確保などのための凝ったボディ構造ゆえに袋部分が多く、そこに水が溜まるのが原因だったりする。
もちろん走行時にも入ってくるので、洗車だけが悪いわけではない。ただ、洗車でかける水の方向は雨や走行時とは異なる、人為的なものゆえに、想定しないところに入り込みやすいのは確かだ。
洗車で水が思わぬところに入り込んでしまうというのは以前から指摘されていることで、対策としてはキチンと奥まで拭き上げるのはもちろんのこと、可能なら近所でいいので、ある程度走って飛ばしたほうがいいだろう。
また、個々のクルマというわけではなく、洗車という行為自体も環境への負担増ということで、控えたほうがいいという流れに、世界ではなってきている。言われてみれば、シャンプーなどは排水にそのまま流していることがほとんどで、環境にはよくないだろう。
実際、ドイツでは自宅での洗車は禁止で、排水設備が整っている専用の場所(ガソリンスタンドや専門店など)で行なわなくてはならない。