もともとは日本でいう軽トラックのようなイメージ
アメリカ本土に行くと、街中やフリーウェイでピックアップトラックを目にする機会が多い。とくに、テキサス州、ルイジアナ州、アラバマ州、ジョージア州などアメリカ中西部から南部にかけての地域ではピックアップトラックがウジャウジャと走っているように感じるくらい普及している。こうした状況になったのは比較的に最近で、90年代に入ってからだ。その理由はなにか?
そもそも、ピックアップトラックは商用車である。農家や牧場など、広い敷地で作業するためのクルマとして、庭の手入れをするガーディナー用として、建築・土木などの作業車として、また酒屋など個人商店の運送用などとして使われるのである。日本でならば、軽トラックのようなイメージだ。
それが80年代後半から90年代初頭にかけて、まずはSUV人気が上昇。ジープチェロキーが火付け役で、フォードエクスプローラーが爆売れした。こうしたSUVブームの背景には、SUVの利便性に加えて、「タフネス(力強さ)」という商品イメージが、ブルーカラーだけではなく、ホワイトカラーにもウケたことが挙げられる。それが女性層にも飛び火。こうした「タフネス」イメージという点で、ピックアップトラック人気も上昇した形だ。