クルマを自分でコントロールする楽しさが感じられる
クルマはスピードが速ければ運転して楽しいとは限らず、対照的に「超ローパワーで遅いけど楽しい」というクルマもある。今回はそんな現行車をピックアップしてみよう。
1)スズキ・ジムニー
軽自動車ながら本格クロカンSUVであるジムニーは、深い雪道やオフロードといった条件の悪い環境で本領を発揮するクルマのため、オンロードは決して得意ではない。ジムニーでオンロードを走ると車重が1トンを超えるゆえ、動力性能に余裕がない、コーナーではグラリとロールすることもあるなど、ネガティブなところも多い。しかしそのあたりは逆手に取って繊細な運転をすると、うまく行った時にはクルマを自分でコントロールしているという歓びが感じられ、運転していて楽しい。
またジムニーは音のうるささやシートの薄さ、MTだとシフトの際の重さなど、長い時間運転すると疲れるクルマでもあるが、体調のいい時なら疲れも適度な運動のように心地いい。そんなクルマだけに自分のものにするには躊躇する気持ちもわかるが、高値で売れるクルマでもあるので、興味があるなら勇気を持って買ってみることを勧めたい。
2)軽トラック全般
MTであれば現在もっともシンプルなクルマである軽トラックは、クルマの原点のような存在だ。車重は700kg程度と軽いがエンジンは50馬力程度のNAなので速い訳はない。しかしその分MTならギヤチェンジを駆使してアクセルを多めに踏みながら走れるので、遅いスピードでも速度感を楽しめる。さらに軽トラックは後輪駆動車なので、クローズドされた雪道や氷上ならアクセルオンでテールを流すドリフトもできるなど、見方によってはクルマを運転する楽しさが詰まったクルマたちでもある。