人と違う1台を手に入れたいひとにオススメ!
自動車メーカーが生み出す新型車は、綿密なマーケティングをもとに、多くの人間が携わり、巨額の費用を投じて開発されるもの。どの車種も自信を持って市場に送り出しているのは間違いないのだが、残念ながらさまざまな要因によって販売台数が伸びなかった不運なクルマも存在する。今回はそんな不運なクルマを紹介し、少しでも魅力をお伝えしたいと思う。
トヨタ・パッソセッテ/ダイハツ・ブーンルミナス
2010年に販売を終了したシエンタの後継車種として、パッソ/ブーンをベースにして誕生した7人乗りのコンパクトミニバン。カローラよりも小さいサイズに3列シートを備え、女性でも運転しやすいことをアピールしたほか、豊富なシートアレンジで使い勝手のよさも上々なクルマであった。が、シエンタにあったスライドドアをもたなかっただけでなく、当時買い替えの追い風となっていた「エコカー減税」の対象外であったため販売面で大苦戦。結果的に一度販売を終了したシエンタが復活するという事態に至ってしまった。ただ、エコカー減税無関係の中古車市場では、手頃な3列シート車として意外な穴場(車)とも言える。
スズキ・X-90
1993年の東京モーターショーに参考展示されたX-90は、エスクードがベースのTバールーフを持った2シーターカー。北米や欧州のモーターショーにも展示され好評だったため市販化されたのだが、さすがに日本国内では受け入れ難かったようで1300台ほどの販売にとどまってしまった。しかし、海外での人気は高く、いまだにネット上で情報交換が活発に行われており、国民性の違いに気付かされる。なお、X-90の特徴的なドアミラーは、じつはユーノス・ロードスターの流用である。
ダイハツ・メビウス&アルティス
最後にご紹介するのは、まだ現行車でありながら販売台数が伸びないと思われるクルマ。それはダイハツのメビウスとアルティスの2台の乗用車。あまり馴染みのない車種かもしれないが、じつはメビウスはプリウスαの、アルティスはカムリのOEM車なのだ。どちらもグレードが絞られ、メビウスは5人乗りのみのラインアップ、アルティスはモノグレードの展開となっている。ちなみにアルティスの歴史はじつは長く、2000年から存在しており、現行モデルで4代目となる。もちろんアルティスはダイハツのフラッグシップ車であり、ダイハツ関連のVIP御用達のクルマという側面が非常に強く、一般の顧客が購入することは稀だ。しかし、ダイハツは今年の8月にトヨタの完全子会社となることが予定されているため、そうなった場合アルティスやメビウスの存在意義はかなり希薄になってしまうだろう。人と違う1台を手に入れたいのであれば、今しかないかもしれない。