新たな車名で新しい一歩を! それぞれの車名に託した願い
先日発表された新型ヤリス。クルマ好きの皆さんなら説明するまでもないが、ヴィッツの後継車種となるトヨタのコンパクトカーである。後継車種といっても、すでに海外では初代ヴィッツの時代からヤリスの名前で販売されており、今回でようやく世界共通の名前となったというわけだ。
この現象はすでにマツダでも起きており、5月にアクセラの後継車種としてMAZDA3が登場したことに続いてデミオがMAZDA2へ、アテンザがMAZDA6へと、こちらも世界共通の名前に置き換えられている。ではなぜこのタイミングで両メーカーとも慣れ親しんだ名前から世界共通の名前に変更したのだろうか?
ヤリスに関しては、そもそもデビュー当初から世界共通の名前でスタートする予定だったと言われている。しかし、語感の悪さを懸念したトヨタ側が日本ではヴィッツという名前にしたようだ。しかし、登場から20年もの時間が流れ、WRCでの活躍などもあってヤリスという響きに違和感を覚えなくなったことと、プラットフォームも一新し、これまでのベーシックなコンパクトカー以上のクオリティを持った車種となったことなども踏まえて、新たな名前で新たな第一歩を踏み出そうという考えなのかもしれない。
なお、MAZDA3が登場した際も同様に、アクセラよりも大きく進化した新世代商品群の第1弾車種として従来のイメージを引きずってもらいたくない、というニュアンスが感じ取れた。そしてMAZDA3の革新的なイメージを他車種にも持ってもらえるように、デミオやアテンザもそれぞれ改名したというのが本当のところだろう。
とくに最近のマツダは店舗も黒を基調とした高級感溢れる佇まいのものに変更が進んでおり、より洗練されたイメージを持ってもらえるように日々努力をしている。しかし、この洗練されたイメージが却って“高級そう”で“敷居の高い”イメージとなっているという話も聞くが、果たしてトヨタとマツダのイメージ戦略が吉と出るか凶と出るか、しばらく推移を見守りたいところだ。