燃費向上のため徹底した軽量化が施されている
軽自動車の高性能化と高品質化は非常に著しく、新車の4割も売れてしまうほどの人気を誇る。移動の足としては万能で、クルマ好きウケするスポーツモデルや本格派のオフローダーも揃うなど、多様性も素晴らしい。
安定的によく売れるのも納得だが、軽自動車の数少ない不満のひとつが「遅い」こと。活発に走りたい人にとってターボは必要不可欠で、とくに車重が大きくなるハイトワゴン系では、遅さが際立ってしまう。最大でも52馬力しかないNAの軽自動車は絶対的な動力性能不足といえ、加速時には痛痒感を伴うことが多い。
しかし、逆にいうと遅ささえ我慢すれば、NAエンジンを搭載する軽自動車は猛烈に魅力的だ。とくにダイハツ・ミライースやスズキ・アルトなど、昔ながらのハッチバックタイプの軽自動車は軽量化や効率化をはかるための技術革新がめざましく、100万円以下で買えるグレードでも先進技術の塊のような内容となっている。
ミライースもアルトも、FFの車重はわずか650kgと驚異的に軽い。ライトウエイトスポーツの代表格、ロータス・エリーゼよりはるかに軽量だ。走行抵抗の低減ぶりも凄まじく、走行時のフリクション感はほぼゼロに近いので、パワーはなくても走りは全域でとても軽快。ギヤがニュートラルなら、スーパーGT参戦マシンのGT300 BRZよりも簡単に手押しで動かせる。峠の下りでは存外に運転が楽しく、スポーツカーのような走りが楽しめると言っても過言ではないほどだ。