自分でやれば安い部分も車検時だと高額になることも!
2年毎(新車時は3年)の車検は、クルマのランニングコストの中でも、大きな割合を占めるところだが、そもそも車検とは、正式には「自動車検査登録制度」のことで、行動を走るクルマは、保安基準に適合しているかを確認するため一定期間ごとに国土交通省の検査を受けることになっている。
つまり、厳密に言えば「検査」なので、検査のライン上で基準に適合していれば、検査場の敷地を出た瞬間にトラブルが発生してもOK!? 逆に、検査前は問題がなかったのに、検査場内で、車幅灯の電球が切れたりしたらアウトとなるのが、車検。
そして車検費用の大半は、重量税、自賠責保険、印紙代などの法定費用。普通車(1t~2t)の場合、59,450円が標準。ユーザー車検で、クルマに問題がなければ、ほぼこれだけの費用で車検を通すことができる。
しかし、車検時は、検査だけでなく、「24カ月法定点検」も一緒に行うのが一般的。ディーラーや整備工場に車検に出すと、1回の車検で10万円コースとなったりするのは、法定費用に加え、整備点検代と交換部品代等がプラスされるため。
クルマを安心してドライブするには、検査ではなく、整備点検の方がより重要。いまのクルマはよくできていて、メンテナンスフリーでも壊れないと思っているかもしれないが、現代のクルマだって消耗品の固まりで、壊れなくても消耗品の交換は必要。
具体的には、
タイヤ
エンジンオイルなどの油脂類
ワイパーゴム
ラジエターの冷却水
ウインド・ウォッシャー液
バッテリー
ブレーキパッド・ディスク、ブレーキフルード
ベルト類
といったところは、定期的に点検し、必要があれば交換しなければならない。
それなのに、車検から車検の間の2年間、まったくノーメンテの放置プレイ状態にしているユーザーだと、車検時にこれらの消耗品の交換時期がまとまってきて、一気に高額出費を強いられることになるわけだ。
したがって、車検を安く上げるためにも、普段のメンテナンスが非常に重要。例えば、タイヤなどは、月に一度ぐらいは空気圧を点検しておかないと、扁摩耗を起こしたり、空気圧不足で、燃費が悪化したり、ゴムがひび割れてきたりするし、残り溝が少ないままだと、雨の日に非常に危険な思いをすることにも……。
エンジンオイルも半年から1年に一度は交換し、オイルの量は季節ごとには確認しておこう。ウインド・ウォッシャー液などは、減っていたら足せばいいだけなので、ホームセンターなどで買ってきて、DIYでやれば1コイン(500円)でおつりがくる。
ワイパーも梅雨入り前に、替えゴムだけを買ってきて、自分で交換すればリーズナブル。バッテリーは、量販店やガソリンスタンドで、夏前と冬前に点検してもらうのがおすすめ。(弱っていたら、安いお店を探して交換する!)
ブレーキ関係は、フルードの量は自分でも点検できるが、あとは整備士の出番。車検時の24カ月点検で、一番しっかり見ておいてもらいたいところ。メカに弱いという人は、量販店などで簡単な無料点検サービスをやっているので、それを利用するといいだろう。
あとは、異音や異変を感じたら、放っておかないで早めに整備工場に持っていくこと。病気と同じで、クルマのトラブルも早期発見、早めの対処が、大きなトラブルを未然に防ぎ、出費も抑えられるというもの。
できれば、信頼できるクルマの主治医を見つけておくのが、カーライフのコツ。ユーザー車検代行業などは、安価な分、点検整備を省いているケースがほとんどなので、要注意。一方で、ディーラー車検は過剰整備で高い、という意見もあるが、まずは事前に見積もりを取ってみるのが良策。これは他の整備工場や量販店、車検専門店やガソリンスタンドなどに出す場合も同じ。
「車検を通すだけなら幾らだけど、ココとココは半年以内に交換した方がいいですよ」と、こんな具合に提案してきてくれるところが、一番理想的だ。