より多くの人へブランドをアピールすることができる
IAA(フランクフルトモーターショー)会場入口に到着すると、入口前に韓国起亜自動車の広告塔のようなものがあった。そして、そこには9月2日にデビューしたばかりの、CEEDという車種のクロスオーバーSUV風の派生モデル、“XCEED”が展示してあった。会場内ブースもこれがメインなのかと思ったのだが、会場内●号館の起亜ブースへどうぞみたいな表記が見当たらない。おかしいなぁと思っていたら、プレスカンファレンスのスケジュールもなく、結局会場内に起亜はブースを探すことはできなかった。
このような“場外展示”は会場内でも見受けられた、正式な展示棟ではなく、試乗コースや飲食コーナーのある中庭のような場所には、マクラーレンとポールスター(ボルボのブランド)が、仮設の展示コーナーを開設していた。
また、フランクフルト中央駅へ行くと、駅構内に中国の新興BEV(ピュアEV)ブランドである“AIWAYS”が展示コーナーを開設していた。駅はモーターショー関係者や、モーターショーを見に行くひと以外も当然利用するので、より不特定多数のひとへの露出ができる面では効果的と考えたのだろうか。
ルノーはプレスデーの際、メルセデス・ベンツブースの階上にメディア向けのブースを構え、新型キャプチャーを発表。しかし、一般来場者向けにはルノーの出展場所は明記されていない。
いずれも、フランクフルトショー会場内に正式なブースを構えるほどでもなく、それでいて露出もできコストも抑えられるとして、思い思いの、いわば“場外展示”のようなことをしているようである。裏を返せば、正式出展となると、それなりの出展料を払ってブースを構えなければならないし、プレス向け資料の用意などもあるのでメーカーにとってはコスト負担が重たいのだなと感じた。
前回の東京モーターショーでも、一部ブランドが正式な展示ブースを構えずに会場内のコンコースのようなところに車両展示をしたところ思った以上の注目を浴びて販促効果が高かったという話を聞いたことがある。日本メーカーもホンダ1社だけの出展にとどまらず、ルノーや、起亜などのような露出方法で、存在感を示すことができなかったのが残念に思える。