突如ニュルで公開された「NISMO」の2017年モデル
5月26日(木)〜29日(日)までドイツで開催されているニュルブルクリンク24時間耐久レース(通称:ニュル24時間)。予選初日の26日には、トヨタの豊田章男社長がレクサスRCを駆って予選アタックに出走するというサプライズがあったが、予選2日目の27日、今度は日産から電撃的なニュースが飛び込んできた! GT-R NISMO 2017年モデルの発表である。
3月23日のニューヨーク国際オートショーで先行披露された「R35 GT-R 2017年モデル」。2007年12月に発売されて以来、初の「ビッグマイナーチェンジ」を受けた最新のGT-Rである。4月1日には日本でも右ハンドル仕様が公開された。ただし、発売は今夏としかアナウンスされておらず(恐らく7月と思われる)、細かいスペックやグレード体系、車両価格に関しては未発表。唯一明らかになったのは、従来から搭載する3.8リッターV6ツインターボエンジンの最高出力/最大トルクが従来モデル+20hp/4lb-ftの565hp/467lb-ftにアップしたという点のみだった(※北米仕様の数値のみ公開)。
今回ドイツで突如お披露目されることになった「GT-R NISMO」は、2013年9月にニュルで市販量産車世界最速タイムとなる「7分8秒679」を記録したことで一躍注目を浴びた「特別なGT-R」。まずは日産が公開した画像をお届けしよう!
スーパーGTに参戦するGT500マシンのノウハウを投じたカーボン製の専用エアロや、GT3マシン譲りの600psエンジンを搭載するGT-Rのスペシャルなグレードだ(新車価格は1501万5000円)。発売以来、世界から注文が殺到し、生産が追いつかない事態が発生。台数限定のモデルではないのだが、あまりの人気にオーダーストップ状態が続いていた。今でも中古車市場でプレミアが付くほどの希少車となっている。
基準車の2017年モデルが発表されたことで、「NISMOはどうなるのか?」という声が各方面から上がっていた。そして今回、満を持してNISMOの2017年モデルが発表されたわけだ。公開が予定されている場所は、世界最速タイムをマークしたニュルブルクリンク! 今回もニュル24時間には3台のNISSAN GT-Rがエントリーしている。ちなみに、NISMOで最速タイムをマークしたミハエル・クルム選手は、今回のニュル24時間でもNISSAN GT-R NISMO GT3のステアリングを握っている(35号車)。GT-Rとニュルは、往年のR32GT-Rの時代から切っても切り離せない関係なだけに、日産はこのタイミングを見計らっていたのかもしれない。
さて、気になるGT-R NISMOの2017年モデルだが、エンジンの仕様などは従来モデルを踏襲(600ps/66.5kg-m)。外観はフロントバンパーのデザインが大きく変更された。
そして基準車同様、「フルモデルチェンジ」並みにコクピットまわりが刷新されている。ダッシュボードやインストルメントパネル、センターコンソールなどを全面刷新。
そこに、NISMOのアイデンティティであるアルカンターラのステアリング、フルバケットシート、赤ステッチなどを盛り込んだ格好。また、基準車と同じ手法でルーフやピラーなどのパネルを変更し、ボディ剛性をさらにアップしている。それにともない、足まわりのセッティングなども最適化が図られているという。
具体的な発売時期や価格は未発表だが、従来モデルと同様に世界中からオーダーが殺到するはず。日本時間の19時現在、まだ現車は公開されていない。現車が確認でき次第、さらなる続報をお届けする予定だ。