死角が少なく車幅感覚が掴みやすいにもかかわらず消えていった
1980年代前半まで、国産乗用車のサイドミラーはフェンダーミラーオンリーだった。というのも1983年までは、保安基準でボンネット付きのクルマのミラーは、フェンダーミラーに限ると規定されていたため。
しかし、すでにドアミラーが普及していた欧米の自動車メーカーからすれば、このルールは輸出拡大のネックになると抗議があり、1983年から国内でもドアミラーが解禁になる。それから36年。タクシーなどを除けば、もうすっかりフェンダーミラーは見かけなくなってしまった。
フェンダーミラーは死角が少なく、視線の移動が少なくて済む、車幅感覚が掴みやすくなるなどの長所もあるのだが、ボディへのデザインの影響が大きく、形状的に歩行者保護にも適さない、コスト的にも高くつくなどの理由であっという間に廃れていった。とはいえ、いきなりフェンダーミラーが消えたわけではなく、わりと最近まではオプションでフェンダーミラーが選べる車種もいくつかあった。