【今さら聞けない】ハイブリッドカーはなぜ燃費がいい?

燃費がいいのは捨てていた力を電気に変えてモーターで使うから

 HYBRID CAR(ハイブリッドカー)のカーはクルマの意味、ではハイブリッドは? これは混成ということ。雑種なんて意味もある。現在では「ハイブリッド」を名乗るとクルマが売れるという事情もあり、広く捉えるメーカーもあるが、基本はエンジンとモーターという2つの動力を備える(混成する)クルマ、と考えて問題はないだろう。

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エンジンはガソリンや軽油を燃料として、それを燃焼させるエネルギーを回転運動にして、最終的にタイヤを回す。モーターは電気の力で回転する装置だ。
ハイブリッドカーにも色々な仕組みがあって複雑だが、

①エンジンの動力を直接タイヤの回転に使う
②エンジンで発電機を回して電気を作り、バッテリーに蓄える、もしくはその電気で直接モーターを回し、その力でタイヤを回す
③エンジンとモーターの力を合わせてタイヤを回す

 結果的にはこのいずれかでクルマは走っている

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 ハイブリッドカーは基本的に同じパワーなら単純なエンジン車よりも燃費がいいというのがウリだが、なぜ燃費がいいのか? これは「エネルギー回生」を行っているからだ。よく「回生ブレーキ」などと言われる。

 では「回生ブレーキ」とは何か? 普通のエンジン車がブレーキを掛けると、クルマが持っていたエネルギーを熱として捨てることになる。例えばディスクブレーキなら、ブレーキディスクをブレーキパッドで挟むことで回転を抑えて速度を落とす。

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 当然こすれるわけだから摩擦熱が発生する。これは速度のエネルギーが熱に変換されているということなのだ。その熱の多くは空気中に放熱されるだけ。つまりエネルギーを捨てていることになる。このエネルギーを回収するのがハイブリッド車の仕組みだ。

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 昭和世代の人なら自転車を考えると分かりやすい。少し前までの自転車は、前輪で小さな発電機を回すタイプのライトが付いていた。暗くなってライトをオンにすると、とたんにペダルが重くなる。スピードが出たからといって漕ぐのをやめると、ブレーキレバーを握っていないのにライトを付けてないときに比べて、ブレーキが掛かったようにすぐに速度が落ちてしまう。重い発電機を回すために力を取られて減速してしまうのだ。

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ハイブリッドカーも基本はこれと同じ仕組みで、アクセルを戻したり、ブレーキペダルを踏むと発電機を回し、その力で減速する。そこで発電した電力をバッテリーに蓄えて、次に加速するときにはその電力でモーターを回すというわけだ。

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 ただし、ブレーキはすべて発電機で行うわけではない。クルマを運転すれば誰でもわかるが、ドライバーはペダルの踏み具合で減速度を細かく調整する。発電機を回す重さは細かく調整できないし、瞬間的に回生(回収)できる電力も、バッテリーやその他の要素によって左右されるため、エンジンのみを積む普通の車と同じような通常のブレーキも併用している。

 また、最初に「ハイブリッドを広く捉えるメーカーもある」と書いたが、クルマはライト、ナビなどの電装品、ガソリンエンジンの場合ガソリンに点火するスパークプラグなど、単純なエンジン車でも電気を使う。その電気はエンジンの力で回すオルタネーター(発電機)で発電する。これを発電機兼モーターとして使えるものに置き換え、主に減速時に発電して小さなバッテリーに充電、加速時にごく僅かながらその力をエンジンを助けるように使うクルマもあり、それらを「マイルドハイブリッド」と呼ぶメーカーもある。

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原理としては減速のエネルギーを電気で蓄えて加速力に加えるのだから同じ「ハイブリッドカー」といえる。ただし、前述したハイブリッドはバッテリーやモーターのサイズが大きく、多くの車種がエンジンを掛けずにモーターのみで走行できる「EVモード」をもつ、もしくは自動的にEV走行に入る場合がある。対してマイルドハイブリッドはエンジンをほんの僅かに助けるのみで、モーターのみの走行は不可能なのだ。

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