ブームに乗って人気が高まったモデルたち
スーパーカーブームの渦中にいたのは50歳オーバーだろう。今では当たり前のようにフェラーリ、ランボルギーニを見かけたりするが、当時は街で見かけるのは超まれだったし、実車を見ようとスーパーカーショーに足を運べばピッカリコニカを持ったちびっこが大量に押し寄せていて長蛇の列。拝むことも至難の技だった。
ブームも盛り上がると、フェラーリ512BBやランボルギーニカウンタックといったド定番に飽き足らず、どんどんと裾野は広がり、今思うと「これ、スーパーカーじゃないだろ」的なクルマまでもてはやされる始末だった。今回はそんなスーパーカーだったけど、じつはそうじゃなかったかもなクルマを振り返ってみよう。
1)デ・トマソ・パンテーラ
スペックやデザインなどは立派なスーパーカーだったが、よく見るとフォードとデ・トマソの合作で、アメ車的な部分があちこちに。エンジンはフォードのV8を積んでいるのはいいとしても、OHVというのは残念なところ。デ・トマソ自体も紆余曲折でメーカーとは呼べないほどの不安定さもあった。
2)デ・トマソ・ヴァレルンガ
マニアックなスーパーカーとして小学生のうんちくにも登場したし、スタイルはスーパーカーそのもの。しかし、エンジンは直4の1.5リッターで、なんと102馬力しかなかったのは残念。作りもかなり適当で、整備泣かせだった。
3)デ・トマソ・マングスタ
デ・トマソでもうひとつ。ヴァレルンガの後継モデルとして登場したのがマングスタで、製作手法や販売は毎度のフォードのコラボ。パンテーラがすぐに登場したので、存在意義がなくなったこともあり、ヒットとまではいかなかった。マングスタとはマングースのことで、ACコブラへのあてつけで付けられたという説もあり。ちなみに現在もデ・トマソそのものは親戚筋によって存在しているようだ。
4)マセラティ・ギブリ
ボーラやメラクはスーパーカーとしてお馴染みだが、フェラーリのデイトナに対抗して登場したのがこちら。FRを採用し、エンジンをフロントに積んでいるのはいいが、なんとも長く、間延びした感じ。スペックは330馬力と立派ではあった。
5)ランボルギーニ・エスパーダ
ミウラの4シーターGT版として登場し、エンジンもミウラ譲りでV12気筒だった。4シーターだけならよかったが、ラゲッジもある程度の容量を確保したため、全長だけが長いボディはあまりすっきりとせず。