W×Bは若者に訴求できるグレード名だが……
9月17日発表予定で、いよいよ次期型カローラセダンおよびツーリング(ステーションワゴン)が世の中にお披露目される。すでにお伝えしている通り、次期カローラセダン&ツーリングは3ナンバーサイズとなるが、全長、全幅、ホイールベースはグローバルモデルよりサイズダウンされた、“日本国内専用ナローボディ”を採用する。
スタイリングはすでに中国や北米などでデビューしているグローバルモデルに準じたイメージとなり、すでに日本国内でも次期型の“先兵”としてデビューしているハッチバックボディの“カローラスポーツ”の、それぞれセダン版とステーションワゴン版と考えればわかりやすいだろう。
グローバルモデルがデビューしたころから最近まで、国内仕様は1.8リッターベースのHEV(ハイブリッド エレクトリック ビークル/トヨタではHVとしている)と、カローラスポーツ同様に1.2リッター直4ターボエンジンがラインアップされるとなっていた。確かに次期型セダン&ツーリングでも1.2リッターターボは設定されるが、カローラスポーツではCVTもあるのに対し、セダン&ツーリングは6速MTのみとなり、しかもW×B(ダブル バイ ビー)グレードしか設定されない特別グレード扱いとなるようで、一般的なガソリン車には1.8リッターバルブマチック付エンジンとなる2ZR-FAE型が搭載される。
つまり、従来カローラシリーズの定番ともいえる1.5リッターエンジンがなくなり、メインユニットはハイブリットユニット、ガソリンエンジンともに1.8リッターへ排気量アップされるのである。
カローラスポーツでは1.2リッターターボにもCVTが設定されているのに、セダン&ツーリングでは1.2リッターターボはW×Bのみ、かつ専用ユニットでMTのみの設定とすることで、より際立たせているように見える。
しかし、W×BにはHEVだけでなく、1.8リッターガソリンエンジン搭載のCVT仕様も設定されている。
それならば、いっそのこと1.2リッターターボエンジンを搭載する仕様には“GT”と名乗らせれば、“セダンGT復活”ということで、よりインパクトを与えることができるように見える。ただGTにすると、「懐かしいなぁ」と年配層が注目してしまうおそれがあるので、若返りを強調するためにもあえてW×Bのままにしたのかもしれない。
しかし、ただでさえ少ない若年層の運転免許保有者の大半はAT限定免許なので、仮に1.2リッターW×Bに若い人が興味を持っても、3ペダルMT車を購入して運転するためにはMT車が運転できるように免許証の“限定解除”試験を受けなければならない。若者を意識するならば、6速MTだけではなくデュアルクラッチミッションや6速または8速ATも採用したほうが良かったのかもしれない。
それならば、GTと名乗り年配層を引き寄せたほうが、MT専用車という特別感をより効果的にアピールできるように考えるのだが……。
もしくは対象年齢に上限をつけ、発売後しばらくの間となる期間限定として、“1.2リッター W×B若者購入キャンペーン”と銘打ち、一般的なMT免許への限定解除にかかる費用相当のキャッシュバックキャンペーンを展開するというのも、注目も浴びるので販売促進にもより効果的なものとなると考える。