F1のステアリングはかなり前からフラットボトムを採用
クルマのハンドル(ステアリングホイール)といえば丸いカタチというイメージだが、「Dシェイプ」、「フラットボトム」と呼ばれる下側がカットされているハンドルが増えている。
フォルクスワーゲンのラインアップではほとんどがDシェイプとなっているし、日産ではノートやセレナといったクルマにも採用されている。もともとはスポーティなイメージだった「Dシェイプ」だが、すっかりファミリーカーに適した形状といった印象だ。
さて、フラットボトムのステアリングホイールがスポーティと言われるようになったのは、F1のステアリングホイールがそうした形状だから、という見方が根強い。
たしかにお尻を落として足を上げたスタイルで乗り込む現代F1においては足とステアリングホイールの干渉を防ぐためにフラットボトムを採用するのはスタンダードとなっている。もっといえば、視界をよくするために上側もフラットな形状であることがほとんどだ。
こうした形状が可能になるのはステアリングを持ちかえて操作する必要がないレーシングカーならではで、いまやGTマシンなどのハコ車においても丸くない形状のステアリングホイールが当たり前にように装着されている。
とはいえ、F1においてもDシェイプが当たり前のように採用されるようになったのは21世紀近くになってから。フラットボトムデザインというアイデアは1980年代からあったが、1990年代のアイルトン・セナやミハエル・シューマッハの時代でも主流は丸型だった。