今では国産輸入問わず有名ブランドのオーディオが採用されている
日本の一般的な住宅事情では、家で思いのままに音楽を聴くことは、なかなかままならない。実際、わが家でもオーディオのあるリビングルームには、今では1日中愛犬2頭がいて、聴覚に優れた犬に大音量で音楽を聴かせるわけにはいかない。
そうでなくても、防音されたリスニングルームを持っている人などごく一部で、自分の時間、つまり夜、オーディオに酔うことはなかなか難しい。マンションでも一軒家でも、騒音苦情がくる可能があるからだ。
で、ボクの場合、家では時にヘッドフォンで音楽を聴くことにしているのだが、それ以上のリスニングルームとして利用しているのが車内である。自身のクルマのカーオーディオは純正のたいしたことのないシステムだが、モータージャーナリストという職業柄、高級オーディオを搭載したクルマに試乗する際には、自身の基準となる音源を用意し、音質を確認する。
その音源とは、以前、日本の超大物女性シンガーソングライターのコンサート会場の音響を決める際にも使われていたソースだ。さらに、有名高級カーオーディオメーカーが用意した試聴用CDも活用する。
やはり、一般的に標準装着される、コスト重視のカーオーディオシステムと、オプションだったりする高価な高級カーオーディオの音の差は歴然。
高級カーオーディオはアンプの質、スピーカーの数が圧倒的で、ステレオ感(音の分離)、音の立体感がまるで違うし、安いカーオーディオでは聴こえてこない微細な音まで見事に再生されるのだ。この違いは、聴き慣れたお気に入りのソースであればあるほどわかりやすく、それこそ感動に値する。
最近ではボルボV60シリーズに32~42万円のオプションとして設定されている、イギリスの高級スピーカー&カーオーディオメーカーのB&W=Bowers & Wilkinsプレミアム・オーディオサウンドシステム(1100W、15スピーカー、センタースピーカー&サブウーファー付き)などに接しているが、愛車のカーオーディオとは、音質、音像、ボーカル、各楽器の聴こえ方はもちろん、音楽の色彩まで変わってくる印象なのである。
とくに左右の音の分離は圧巻。楽器それぞれの定位が、まるで目の前で、生音で演奏しているような臨場感として伝わってくるからすごい。