電動化とAWD! 両社の強みを活かし商品力を高める
トヨタ自動車とSUBARU(スバル)は、中・大型乗用車向けのEV専用プラットフォーム、及び、それを採用したCセグメントクラスのSUVモデルのEV(電気自動車)を共同開発することに合意したと公表。両社はトヨタ86&SUBARU BRZのように、共同で開発した車両を各々のブランドで販売する予定だ。
これらのプラットフォームと車両の共同開発では、トヨタの電動化技術とSUBARUのAWD(全輪駆動)を活用するなど、両社の持つ技術の強みを持ち寄ることで、魅力ある商品づくりにチャレンジしていく予定だという。
トヨタは1997年に初代プリウスを発売。「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーのもと、世界初の量産ハイブリッド車を実現した。その後、モーター、バッテリー、PCUなどの電動化技術に磨きをかけてきた。
スバルは1972年に発売された「レオーネエステートバン1400」で、市販車に初めてAWDを設定。それ以降50年近くにわたって技術に磨きをかけてきた。2018年の世界でのスバルのAWD車の販売比率は98%にも及ぶというから、そのAWD技術の高さが計り知れる。
トヨタとSUBARUは2005年に業務提携に合意して以降、2012年には共同開発のFRスポーツである「トヨタ86/SUBARU BRZ」を発表、2018年には トヨタの持つハイブリッド車技術に関する知見を活用して、SUBARUオリジナルのプラグイン・ハイブリッド車「CROSSTREK HYBRID(クロストレック・ハイブリッド )」を米国で販売するなど、開発・生産・販売などさまざまな分野で協業を深めてきた。
自動車業界はいま100年に一度といわれる大変革期の渦中にあり、コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化といった「CASE」と呼ばれる新しい領域での技術成長が求められている。
その第一歩として、今回の協業はお互いの得意分野を持ち寄り、「CASE」のなかの「E=電動化」の分野を伸ばそうといったものだ。
EVの商品化は大容量電池が求められるうえ、普及には莫大な電池供給量が必要。さらに航続距離や充電インフラの設置状況によるクルマの使われ方の違いから、これまでとは違った販売手法が求められるなど、現時点ではさまざまな課題がある。
したがって、両社は市場の多様化するニーズや課題にスピード感を持って対応するためには、これまでの発想にとらわれず、業界の垣根を超えてさまざまな仲間とともに取り組むことが必要だと考えているとのことだ。
なお今回共同開発されるEV専用プラットフォームは、CセグメントからD セグメントクラスのセダン、また SUVなど複数車種の開発にも応用していく予定だという。