優勝目前でクラッシュした2012年よりも仕上がりはいい
琢磨にとって記念すべき10回目のインディー500を迎えた。
最終プラクティスの前日、琢磨に直接たずねてみた……。「今日ここまでの仕上がりは過去10年で何番目にランクされますか?」琢磨は目を見て力強く即答した。「2番目です」。
「(優勝した)あの2017年は究極の仕上がり。毎日が確認作業の連続だけでした。(優勝争いのあと、クラッシュした)2012年はカーブデイで大混乱を起こして、日曜日にはやったことのないコンセプトを捨て身でしてみたんですよ。そして日曜日が歴史的に暑い日になってすべてが(上手く)ひっくり返ったんです」。
「確かに2012年のレース・デイのクルマは速かったです。でも、あまりにもナイフ・エッジというか綱渡りのようなドライビングが要求されるものになってしまったんです。それに比べたら今のマシンのほうがドライバビリティというかトラフィックの中での動きが緩やかで良いです」。
その言葉のとおり、翌日のカーブ・デイ(最終練習日)で琢磨は3番手のスピードを記録した。カーブ・デイは予選を終えたマシンを再び決勝モードのセッティングに戻し、トラフィックのなかでの動きを確認するのが最大の目的だ。ドラフティングを使い合うだけにそのスピード・ランクは一概にアテには出来ない。
しかし、琢磨の言葉を借りれば「トップ5にいられれば、クルマが良い方向に向かっているのは間違いない」とうことになる。