絶滅危惧種の「街道レーサー」ド派手パーツを買うなら今なの?
街道レーサーの定番アイテムとして広がった「出っ歯」に「竹ヤリ」。当時グラチャンと呼ばれていたレースを見に来る暴走族が起源と言われている。後にこの手の派手なクルマを「チバラギ仕様」と呼んだが、なぜかいま、ヤフーオークションに、当時のパーツが売られている。
1970年代後半から80年代にかけてレースに出場していたシルエットフォーミュラを参考に愛車をカスタマイズする風潮がある一部から始まった。特に千葉から茨城付近の暴走族は、自分だけのオリジナルマシンを作り他のクルマより「目立つ」ために「出っ歯の長さ」や「竹ヤリ」といわれるマフラーの長さを競うようになりエスカレートし、長ければ長いほど当時は「ド派手なスター扱い」のマシンとなっていた。
さらに、迫力を出すためにボディをワイド化するなど、トンガっているクルマの方が格好良く見えた(らしい)。ド派手なほど「正統派チバラギの街道レーサー」だと思われていた(フシがある)。このテは、性能よりももちろん見た目の派手さを重視したクルマが増え、気がつくと普通の道を走るのも大変な仕様のマシンが多かった。
しかし、時代はバブル景気となっていくことで、カスタマイズのブームもどんどん変化を遂げ、いつの間にか暴走族文化の「チバラギ仕様」の火も鎮火=沈下してしまった。
ところが、「由緒あるジャパニーズ・スタイルを今後も引き継いで行かなければならない!」と思った絶滅危惧種保存会の方なのか、このテのパーツがヤフオクに出品されている。「昭和の稀少なアイテムを買うなら、今でしょ!」とも思うが、その前に、この稀少パーツを装着するクルマ自体が稀少なので、このようなパーツを着けるために旧車を買うのだけは避けていただきたいと願うばかりだ。
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