エンジンの消滅は避けられない運命? クルマの電動化が加速するなか内燃機関が生き残れる可能性とは (1/2ページ)

完全なガソリンエンジン撤廃はまだまだ難しい

 内燃機関(エンジン)への期待は根強い。一方で、欧州と米国の一部州(カリフォルニアを含む10州)、中国、インドなどでは、燃費(またはCO2排出量)規制や電気自動車(EV)の強制的導入が法規制化されるため、エンジン一本での生き残りが今後制約を受けることになる。

 それら地域に対し、日本では燃費基準は設けられているが、それを達成できたかどうかによって減税措置などが採られるのみで、罰則などの規制はない。したがって、消費者が減税措置や補助金などへの期待をしないのであれば、エンジン車が市場に残る余地は大きい。

 また、南米や東南アジア、あるいはアフリカ諸国などでは、まだ強制的な規制の状況は耳に入っておらず、エンジン車がこれまで通り販売されていく余地はある。しかしながら、そのためには、仕向け地に合わせたクルマづくりが必要で、規制される地域と規制のない地域との作り分けを自動車メーカーは行わなければならない。その手間が、原価と利益にどのような影響を及ぼすかで経営判断は変わっていくだろう。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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