クセが強すぎて1代で終わってしまったクルマも存在
クルマの系譜というのは、長きにわたって続いていく伝統のモデルと、1代限りで終わってしまうモデルのふたつに分かれる。今回は後者について見ていきたいが、さらに1代限りで終わってしまう理由も、そもそもの一発屋というだけでなく、長く続けようと思ったのに、不人気で終わってしまったというのもあるから難しい。
今回はトヨタ車で見てみよう。緻密な計算に基づいてモデルをリリースしているかと思いきや、1代限りのモデルも点在しているのがトヨタの面白いところだ。
1)セラ
1990年に登場したが、まず驚いたのが全面ガラス張りのキャビン。今のように断熱ガラスはなく、オーナーに聞くと夏は温室状態で地獄とのこと。さらにドアもユニークで、上に開くのは、日本車で初。
ちなみにガルウイングと呼ばれることもあるが、ヒンジを中心に前に開くので、ヒンジアップドアとかバタフライドアと呼ぶのが正解だ。個性が強すぎて、2代目はないなと新車当時から思っていたものである。
2)iQ
軽よりも小さい(全長)、Aセグメントのクルマとして登場。マイクロカーだが、一応4人乗りで、リヤシートがあったりするのもユニークなところ。
欧州ではディーゼルなどもあったが、日本では1リッターのみだった。アストンマーチンにもOEMされたりしたが、今ひとつ人気が出ず、消滅。ただ、パッケージング技術において新しい試みがなされ、その後に活かされていることあって、存在意義は確実にあったクルマだ。
3)アルテッツァ
ハチロクの再来とも言われたものの、なんだかフツーのスポーツセダン。FRだからといってなんでもいいわけじゃない、というのを教えてくれた1台だ。
クロノグラフ風メーターもバブルを脱しきれておらず、中途半端。オフィシャル的には後継はレクサスのISだが、こちらも微妙な感じ。