自動ブレーキが事故発生割合を6割以上も減らした!!
いまや「自動ブレーキ」という呼び方もされるようになったプリクラッシュセーフティシステム。日本において普及に寄与し、また技術的にもリードしているのはスバルの「アイサイト」であることに異論はないだろう。そのステレオカメラを使ったプリクラッシュセーフティシステム「アイサイト」は、現行ラインナップではカラーカメラのver3となり、アイサイトが全車標準装備の車種も増えてきている。もはやアイサイトのないスバル車というのは、インプレッサの一部とWRX STI、BRZくらいだろうか。
さて、富士重工業は、交通事故総合分析センター、通称「ITARDA(イタルダ)」の事故データを元に、アイサイトの有無による事故発生件数の違いを調査・発表した。
サンプルは2010〜2014年度に日本国内で販売したスバル車の人身事故件数。アイサイトはモノクロカメラのver2だが、非装着車も20%ほどとなり、同一車種で装着率による差を見るには最後のチャンスといえるのかもしれない。その結果だが、予想通りというか、驚くべきというか、「アイサイト(ver2)」搭載車は非搭載車に対し、1万台当たり事故発生件数で、車両同士の追突事故では84%減という結果となった。より具体的にいえば同時期の販売台数におけるアイサイト装着車24万6139台に対して追突事故の発生件数は223件、1万台あたりの発生件数は9件となる。一方、アイサイト非装着車の販売台数は4万8085台で、追突事故の発生件数は269件、同じく1万台あたり発生件数は56件と、明らかな差が生まれている。
なお、追突事故を含む対車両の事故件数は、アイサイト装着車で1317件(1万台あたり54件)で、非装着車は674件(同140件)となっている。
また、歩行者との事故件数は装着車が176件(同7件)、非装着車は67件(同14件)と、こちらも半減していることが確認できる。
あくまで販売台数と事故発生件数をベースとしているため、それぞれの走行距離など暴露率の違いは考慮されていないが、全体としては61%もの事故発生を減らす効果が確認できたというのは、偶然ではなく有意な差といって差し支えないだろう。
プリクラッシュセーフティシステムの効果が、ここまではっきりとデータに出てくるのであれば、これからクルマを購入するのにあたって同等のシステムを装着するかどうかの判断にもおおいに役立つはずだ。また、発生率を考慮した自動車保険での配慮(保険料の軽減)も求められることになるだろう。
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