ネガティブな要素を挙げればキリがない輸入ミニバンだが……
国産ミニバンに乗りなれた人にとって、輸入ミニバンでまず感じる違和感は、後席の仕立てではないだろうか。ほとんどの輸入ミニバンの後席は独立シート。つまり、2列目席は3座独立シートである場合が多い。きちっと座り、シートアレンジの自由度では好都合だが、1座のシート幅が制限されるため、ダラリと座るには不向き。ドイツ車の硬めのかけ心地も、ホンダ・オデッセイのプレミアムクレードルシートのようなソファ感覚のふんわりタッチを知っていると、お尻が沈み込まず、落ち着かない印象を受けるかもしれない。
また、メルセデス・ベンツVクラスに代表される、シートアレンジ(2列目席のシートスライド操作を含む)時の操作の重さにも抵抗があるはず。言い換えれば、ガッチリとした操作感なのだが、日本人の場合男性でも「重い」と感じてしまいがち。取り外せるシートの脱着に至っては、ほとんど罰ゲームに近い“力仕事”である。
加えて、VWトゥーラン、シトロエン・グランドC4スペースツアラーなど、リヤドアが非スライドドアで、スライドドアが当たり前の国産ミニバンに対して後席の乗降性に劣るケースがある。
後席の快適性という点では、輸入ミニバンのほとんどが後席用エアコン未装備。トヨタ・ヴォクシー&ノアやホンダ・ステップワゴン、日産セレナのように2/3列目席頭上に吹き出し口があるミニバンは皆無に近い。暑さ、寒さに敏感な幼児やペットを後席部分に乗せるには、国産ミニバン優位ということになる。
では、輸入ミニバンの優位性はあるのか?