上質かつ優しく深い乗り味は、レクサスらしさの極致だ
最近のレクサス、とくにこのRXの乗り味からは強く「レクサスらしさ」を感じた。レクサスらしさとは、必要十分な動力性能を備えながら、走行振動が抑えられ、静かで上質な乗り味であることだ。もちろんほかのプレミアムブランドも備える要素だが、レクサスの場合その追求の深さが異なり、体に、心に優しい、そんな世界観がある。
とくにハイブリッドモデルは顕著だ。駆動系の無駄な振動がなく、まるで乗り味で乗員をエスコートできるような、応接間が移動するような雰囲気。そしてドライバーにだけはハンドルを通してグリップ感など走りに必要な手応えを伝えてくれる。それを重量級の大型セダンではなく、運転視点の高いSUVで実現していることが凄い。
RXの究極はハイブリッド+4WD+Fスポーツといえるだろう。電子制御のスタビライザーが付き、クルマの傾きまでコントロールされる。人工的な強い乗り味にはなるが、結果として得られる上質かつ安定感のある車体の運動性能から感じられる優しい世界は、さすがとしかいいようがない。
ちなみにガソリンエンジンモデルでも、基本テイストは変わらない。十分な加速力と優しい乗り味を備えている。だが、常時エンジンの回転振動があるので、走っている感覚や刺激は強くなることは確か。前述した「レクサスらしさ」は若干薄くなる。またFスポーツの有無は、走行ペースによって選ぶといい。高速道路をハイペースで走ったり、山道を走る頻度の高いドライバーはFスポーツがお勧めである。基本的な乗り味は変わらないが、Fスポーツの想定する速度域が、ほかのグレードより高いのだ。
画像はこちら 最後に、押しが強いデザインには賛否あると思うが、実物のカッコよさと存在感は格別。NXに乗っている方は、横に並ばれたら負けた気分を抱くかもしれない。
車名 | RX450h |
グレード | SPORT |
全長×全幅×全高 (mm) | 4890×1895×1710 |
ホイールベース (mm) | 2790 |
車両重量 (kg) | 2130 |
パワーユニットタイプ | V型6気筒DOHC+モーター |
排気量 (cc) | 4356 |
最高出力 (ps/rpm) | 262/6000(エンジン)
167/50(モーター前後) |
最大トルク (Nm/rpm) | 335/4600(モーター前後) 335/139(モーター前後) |
駆動方式 | 4ED |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
JC08モード燃費 (km/L) | – |
価格 (万円・税込) | 742.5 |
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