ハズレを掴んで泣かないために覚えておきたい! 悪い中古車店といい中古車店の見極め方

クルマの状態を詳細に教えてくれないときは怪しい……

 中古車を買うときは店選びが大切なのだが、知らない店というのはどうも疑心暗鬼になりがち。ネットには「あそこで買ったら騙された」などというコメントがあったりするのでなおさらだ。もちろんメーカー直系の認定中古車が、品質、保証ともに安心だが、価格が高めだし、そもそも欲しいクルマがあるとは限らない。20年ぐらい中古車店を取材してきたが、見極める方法をまとめてみよう。

 まずは電話の対応だ。たまたま通りがかって見つけたとき以外は、電話でアポを取って来店するのが基本。すでに売れてしまっているかもしれないし。この電話のときの対応を見るのだが、挨拶はいくらでもごまかせるので、参考程度でいいだろう。悪徳業者もバカではないので、いきなり態度が悪いことはまずしない。

 同じことは展示車や店舗にも言えるので、こちらも参考程度に留めておく。ただし、きれいだったり、派手な店舗だからといって、いい中古車店とは限らないのは肝に銘じておいてほしい。キラキラしたショールームは直接クルマには関係ないし、その分が販売価格に乗ってくるだけだ。

 本題の見極め方だが、まずどんどんと質問をする。どこで仕入れたかなど、素性に関わることも聞くといいだろう。わからないにしても、ちゃんと考えて答えているかを見るのだが、つまずくとだいたい曖昧な返事になる。

 そして現車確認では、ざっと見るだけでなく、トランクやカーペットを剥がしてみていいか。また、可能なら、リフトに上げて下まわりを見せてほしいとお願いしてみよう。とにかく手間がかかることをお願いしてみて、このときも「見なくても大丈夫」といった返事だったらやめておいたほうがいい。そもそもリフトがないというか、ピットを完備していない店もあるが、これ自体は問題はない。その際に、納車整備や不具合対応はどこで行うのかを確認。ディーラーや提携の整備工場に入れると言うところはいいが、別の場所にうちの工場があるから任せておけなどというのは、曖昧すぎるので避ける。

 そしてよく見極めに使われるのが試乗の可否だが、もちろんできるならしたほうがいい。ただ、車検が切れていればできないし、仮ナンバーを付ければできるだろうという声もあるが、仮ナンバーはあくまで修理や車検などでの最低限の移動のためで、試乗のためにあるのではないので悪しからず。取り締まりも最近は厳しくなっている。試乗ができない場合は、エンジンをかけさせてもらうことだけでもお願いしてみよう。

 と、店の雰囲気、整備体制、試乗と各段階で注意したいのだが、全体的な特徴として「こんなものですよ」という店は怪しい確率は高い。こんなものではなく、どういった状態など、具体的な答えができないのは注意だ。

 また、最近よく物件に、鑑定済みとして某中古車情報誌の名前が付いた鑑定書が掲示されていることがあるが、複数の店で「そこまでシビアになることはないだろう、と言い争いみたいになった」という話しを聞いただけに、かなりしっかりと見ていて信頼性は高いといっていただろう。

 そして、ネットの口コミだが、ライバル店の中傷やイタズラもあるので、もちろんすべて信じることはできないが、クレームを書いてあるにしても、具体的にどんなことが起こったのか書いてあるものは本当であることが多い。また店側の返信コメントがあるサイトならいいだろう。いずれにしても、ネットはダメと完全拒否せず、一応程度でいいので見ておきたい。

 最後にこれはかなり抽象的だが、おかしい店は雰囲気がダメ。中古車探しでは舞い上がってしまうことは多いが、冷静に見てみると、いい店は雰囲気がいい。カンのようなものだが、意外に当たるものである。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
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レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
好きな有名人
遠藤ミチロウ、岡江久美子

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