予算が足りないからとグレードを下げると後悔することも
ほとんどのクルマは複数のグレードが存在し、搭載エンジンが変わる場合もあれば、装備で差がつく場合もある。その分、上級グレードは価格が高く、ロアグレードは価格が安くなるというのが常だ。そのため、本当は上級グレードが欲しいけれど予算の都合でグレードを落とすというのもよくあること。
しかし、最廉価グレードに関しては「もはや別の車種」というほど装備差があるモデルも存在し、購入を後悔してしまう場合もある。今回はそんなオススメできない廉価グレードを持つ車種をご紹介しよう。
1)ホンダ・フィットハイブリッド
ホンダのコンパクトハイブリッドカーであるフィットハイブリッドは、ホンダらしいキビキビとした走り味が人気のモデルとなっている。そのロアグレードとなるHYBRIDの価格は1,699,920円、そのひとつ上のグレードであるHYBRID・Fの価格は1,815,480円とその価格差は115,560円となっている(2WD車)。
しかし、HYBRIDグレードを選んでしまうと先進安全装備の「Honda SENSING」はオプションで選択することもできず、ヘッドライトも旧式のハロゲンのみ。内外装の加飾はことごとく省かれるだけでなく、マップランプやラゲッジルームランプもなし。リヤワイパーすら装着されないのだ。さらにカタログ燃費の37.2km/Lを実現するためにHYBRIDグレードのみ燃料タンク容量が32リットルとなってしまう(他は40リットル)。
2)日産リーフ
世界で一番売れている電気自動車である日産リーフ。特別仕様車やNISMOを除いたグレードは上からG、X、Sと3グレードとなる。ロアグレードのSの価格は3,150,360円で、中間グレードのXの価格は3,513,240円と価格差は362,880円と額としてはかなり大きなものとなる。
さすがに先進安全装備は全グレード標準装備となっているが、日産自慢の高速道路同一車線自動運転技術のプロパイロットや、自動駐車システムのプロパイロットパーキングはSグレードではオプション選択ができない。さらにX以上で標準となる、充電施設などが検索可能なEV専用ナビゲーションも装着されなくなってしまう。さらに暖房時の電力消費を抑えるヒートポンプシステムも省かれてしまうため、寒い時期は極端に航続距離が短くなってしまう可能性をはらんでいるのだ。(写真は「G」グレード)
3)メルセデス・ベンツAクラス
先日登場したばかりのメルセデス・ベンツのコンパクトカー、Aクラス。現在リリースされているのは、3,220,000円のA180と、3,620,000円のA180スタイルの2グレードとなっているが、安さに惹かれてA180をオプションもつけずに購入しようとするのはやめておいたほうがいいだろう。
というのも、先進安全装備やステアリングアシスト付きアダプティブクルーズコントロールなどがセットになったレーダーセーフティパッケージや、メーター一体式のナビゲーションシステムはすべてオプションとなるからだ。当然、ディーラーが在庫する先行発注車に関しては非装備のものはないと思うが、受注生産で注文する際はくれぐれも注意していただきたいところだ。