義務であっても罰則がないものもあり複雑
改めて見てみると、クルマのガラスにはさまざまなステッカーが貼られている。車検や車庫についてなどだが、これらは貼らなくてはならないのだろうか? ちなみにその昔はもっといっぱい貼ってあり、有鉛/無鉛/高速有鉛の使用燃料について。また排ガス規制のためのアイドリング調整、メーカーが貼る完成検査済みなどがあったが、これらは今は貼られていないし、そもそも意味がなくなっている。
現在見かけるのは車検、保管場所、点検、リコールの4つだろう。ちなみにそれ以外にも貼っていいものはいろいろとあって、不正改造のシール、ミラー、アンテナなどだ。そもそも、ガラスに貼ること自体、見た目によくないなど、抵抗がある人もいたりして、実際の規定や罰則はどうなのだろうか?
まずは車検シールからだが、これは掲示義務があり、前方から見えやすい場所に内側から貼ると明確に規定されている。細かな位置自体は規定はないが、そもそもフロントガラスにシールなどを貼っていいのは上部から20パーセントの範囲で、視界を遮らないものとされているので、下のほうに車検シールを貼るのはダメ。ちなみに罰則もあって、50万円以下の罰金が課せられる。
一方、リヤに貼られるのが、車庫をちゃんと用意していることを示す、保管場所標章だ。車庫証明を警察で出してもらったときに一緒にくれることからもわかるように、これがないと登録はできないものだけに、義務は法律でしっかりと規定されている。ただし、罰則はないため、貼っていないクルマもいるし、車検時に確認されるわけでもないので、古いままというクルマもあったりするのが実際だ。
そして、よく貼られているなかでも一番あやふやなのが点検のステッカーだろう。こちらは定期点検を受けたクルマに貼られるものだが、そもそも点検はユーザーの義務なので必ず貼ること自体に無理があるもの。国や警察の推奨はあるものの、義務も罰則もなし。ただ、認証工場で点検を受けた証ではあるので、貼る意味はあると言っていい。
そのほか、リコールのシールも義務も罰則もないが、リコール対策の有無を効率よく見分けるために貼られているので、わざわざ剥がす意味はないように思われる。最近は中古車になると、記録簿が抜かれることも多いのでなおさらだ。ちなみに平成19年以降は、リヤウインドではなく、運転席のドアを開けたところに貼付け場所は変更されている。