戦車が実弾を放つ音は例えが難しいほどの迫力!!
今年も陸上自衛隊の人気イベント『富士総合火力演習』(以下総火演と略)が開催された。平和な我が国だと普通の人は拳銃の発射音さえ聞くことなどなし。けれど総火演に来れば、小銃から戦車の実弾発射まで目の当たりに出来る。いろんな意味で「軍備」を考える良い機会になると思う。
演習内容は「前段」と呼ばれる前半で、持っている装備の実弾射撃。「後段」と呼ばれる後半が、本来の目的となる演習(今回は島嶼部に対する攻撃への対応というテーマ)。前段で次々と実弾射撃するのだけれど、やはり強烈なのは戦車! 90式(キュウマルシキ)と、最新型の10式(ヒトマルシキ)が登場。
10式は世界的に「3.5世代」(第4世代に分類する人もいる)呼ばれる戦車で、どこが新しいかと言えばデータリンクを使い戦略を組み立てられること。今までの戦車戦、無線など使い指示を出され戦車長(船長や機長のような責任者)が部下に命じ、移動させたり射撃したりする。ムカシの延長ですね。
10式戦車の場合、攻撃目標や脅威(戦車を破壊出来る敵方兵器の存在)などが戦略とともにデータで送られてくるため、的確に行動出来るのだった。多数の目標や脅威に対し対応可能な海上自衛隊のイージス艦のようなもの。驚くべきは射撃精度。5km先にある2mの物体に命中するという。
総火演では一度に4両の10式戦車が同時射撃をすることもあるのだけれど、発射音たるや私の筆力だと的確に表現出来ない。おそらく音圧や衝撃派で鼓膜が破れる状況を100だとすれば、70程度だと思う。撃った瞬間、衝撃波やってきて髪が揺すられ、直後に「ドン!」と身体を揺する音圧届く。
身近な場所で聞く尺玉級花火の音を100倍くらいにした感じ。総火演では2000m先の目標を狙うが、当然の如く余裕で命中! 火演と土煙見えたあと、6秒後くらいに雷のような音を響かせる(音の速さは秒速340m)。撃つ方なので迫力あって頼もしいけれど、撃たれる側にとっちゃ怖いと思う!
続いて出てきたのが攻撃ヘリ。戦車キラーと言われており、長射程の誘導ロケットで戦車を破壊する。さすがの戦車も攻撃ヘリ出てきたらいかんともしがたい。機銃も搭載しておりバリバリ撃つ! これまた狙った目標にバッチリ当たる! どの装備も命中率の高さに驚く!
凄い凄いと見ていればいいのだけれど、仕事柄、いろいろ考えちゃいます。コチラが戦車でドッカンバッカン攻撃しているなか、敵側に攻撃ヘリ出現したら、もう軽くヤラれちゃう。戦車といえども最強じゃない。しかし! 攻撃ヘリだって盤石と言えないようだ。その後、歩兵の肩撃ち式ロケット登場!
これは攻撃ヘリを撃墜出来る能力持つ。これを攻撃ヘリ1機に対し同時に5発くらい発射したら、もはや対応しきれまい。というように装備には弱点だってある。グー・チョキ・パーの如し。ということを一番よく認識してるのが自衛隊だと思う。簡単に戦争など始められないです。
軍備、不要かとなればそんなことない。独立した国家なら、身を守ることが出来ないとアカンです。バランスの良い装備を持つことも大切なことだと思う。自衛隊の素晴らしさは(同時に日本を意味する)、第2次世界大戦後、1度も砲身を人に向けたことが無いこと。続けていきたいと思う。