日本のマンガで有名となった1台も今は高値安定
中古車の価格というものは、売る側がどんな値段をつけてもいいもの。しかし、その価格が一般的な相場よりもかけ離れて高ければ誰も買う人はいないだろう。そのため、一般的な中古車情報誌やサイトに載っている中古車の価格は、おおよそ相場価格に準じた値段が付けられていると考えていいハズ。
中には相場価格を大幅に上まわる価格が付けられた車両も存在する。そういったものは極端に走行距離が少なく驚くほど程度がいいものだったり、めちゃめちゃ手がかかったカスタマイズがされていたりと特別な何かがあるというのがほとんどだ。しかし、それ以外にも新車価格を上まわるような価格が付けられる車種が定期的に登場するような車種も存在している。もちろん、その価格でも欲しいという人がいるからこそ、その価格が付けられているのだが、どんな車種に高値が付けられているのかの一例をご紹介したい。
1)トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86)
言わずと知れた人気マンガ「頭文字D」の影響で爆発的な人気車種となった通称「ハチロク」。このブームがなければ、現行の86/BRZも存在しなかったかもしれないと思うと、頭文字Dの功績は少なくないのかもしれない。
しかし頭文字Dブーム以前は、免許を取得したばかりの若者が峠を攻めるために格安で手に入れる車種の代名詞であり、先輩からヒトケタ万円で譲ってもらうとか、解体寸前のポンコツを格安で拾ってきてぶつけては直しの繰り返しで消費される車種であった。
それが現在ではフルノーマルのワンオーナー車では300万円後半のプライスタグが付くほどの高騰っぷり。あのころのクルマを大切に持っていればよかったと思うアラフォー世代が多数いることだろう(筆者もそのひとり)。
2)日産スカイラインGT-R(BNR34)
最後の“スカイライン”GT-RであるR34型も、値段が高騰している車種のひとつだろう。初代や2代目のハコスカやケンメリのGT-Rも、今では1000万円オーバーの価格が付けられているため、新車価格を超える車種と言えるのだが、あちらはヒストリックカーとしての価値もあるため止むを得ないところでもある。
一方のR34GT-Rは、2002年までは普通に市販されており(一部限定車もあるが)、お金さえ出せば誰でも買えるクルマだった。当時の新車価格は後期型のVスペックIIで約575万円。それが現在ではこちらも1000万円オーバーの価格が付けられた車両がチラホラ見られるようになってきている。
名機と名高いRB26DETTを搭載し、6速マニュアルで操ることができる最後のスカイラインGT-Rということで人気が集中するのも分からなくもないが、まさかここまで高騰するとは数年前まで夢にも思わなかっただろう。あの頃、無理してでも新車で買っておけばよかったと思うアラフォー世代が多数いることだろう(筆者もそのひとり)。
3)ポルシェ911(964)
クルマに興味のない人でも「ポルシェ」と聞いて思い浮かべるシルエットは964型という人は少なくないのではないだろうか? それほど多くの人に認識されているポルシェ911(964)。一時期はオイルマネーを駆使したバイヤーたちによってとんでもない価格にまで到達したこともあったが、最近はやや落ち着きを見せている。
といってもターボモデルは余裕で1500万円クラスの価格を維持しており、底値の時代は200万円台でなんとか狙うことができたカレラ2のティプトロモデルでも400万円台〜と、なかなか庶民が買える価格ではなくなってしまった。もちろん維持費は相変わらずスーパーカー級だから、あのころに一度乗っておけばよかったと思うアラフォー世代が多数(以下略)。