素材にまでこだわった贅沢な作りこみで誕生
2012年から2015年までの間に中断した時期があるものの、1985年の初代登場以来、ホンダのフラッグシップとして君臨しているのがレジェンドだ。そもそも初代登場の目的は、それまで小型車のみだったホンダにも堂々たるフラッグシップを作りたいというものだった。
1985年というとバブル前夜だっただけに、その作りはかなり贅沢。そもそも開発する際にノウハウがなかったため、イギリスのローバー(当初はブリティッシュ・レイランド)と提携し、足まわりといったメカだけでなく、レザーやウッドパネルなどのノウハウも学んだ。また、開発者が世界の高級ホテルに泊まり、高級とはなにかを学んだというのは有名な話だ。
実際に採用されたウッドパネルは高級家具メーカーの天童木工製だったし、4コートという今のクルマ作りからしても贅沢な塗装を採用したのはホンダの力の入れようが見て取れる部分だ。
ボディは4ドアセダンのほかに、伸びやかな2ドアハードトップも設定。伸びやかなスタイリングで、人気もあり格好よかった。
エンジンはホンダ初のV6で、排気量は2リッター/2.5リッター/2.7リッターを用意。注目なのは1988年に登場したウイングターボで、タービンの開口面積を可変させることで全域での過給を実現。ターボ嫌いのホンダが作り出したターボとして大きな話題となった。
そして初代のヒットを受けて1990年に登場した2代目はキープコンセプトとなり、各部の熟成が図られた。走りはNSXで培った技術を存分に投入。また高級装備については、初代から引き続き天童木工製のウッドパネルを採用しつつ、カーナビやアメリカ製のオーディオセットなども用意されていた。
エンジンは3.2リッターのV6のみとし、これを当時ホンダがセダンで取り入れていた縦置き、フロントミッドシップに搭載していた。販売的にはバブル崩壊もあり、あまり芳しくなかった。