街中でカブらない上にもちろん走りは人気車に劣らない
終わりが見えないSUVブームが続く昨今。まわりを見ればSUV車ばかりで、なかなか自分の個性を出すことが難しくなってきたとお嘆きの方もいることだろう。
もちろん、購入後にカスタマイズを施して自分らしさを出すことも楽しいが、ベースに選ぶSUV車をちょっと個性的なモデルにすることで、さらにほかとの違いを鮮明に打ち出すことが可能となる。そこで今回は人気SUV車とはひと味違う、現行モデルの個性派SUVを紹介したい。
1)ジープ・レネゲード
クライスラーがもつジープブランドの車両の中で、一番小さいサイズとなるのがこのレネゲード。とはいえ、ひと目でジープブランドの車両だということがわかるフロントマスクや、ジェリー缶を模したデザインをテールランプなど随所にちりばめるなど、遊び心満点のルックスが最大の魅力。
実のところ、親会社であるイタリアのフィアットと共同で開発された車種で、フィアットブランドから販売されている500Xとプラットホームを共有している。しかし、500Xは全車1.4リッターターボとなるところ、レネゲードでは同じく1.4リッターターボに加えて、4WD車は2.4リッターNAエンジンに9速ATの組み合わせとなるのが一番の相違点となる。
2)プジョー・3008
プジョーと言えばコンパクトなハッチバック車のイメージが強いが、現在では2008、3008、5008とクロスオーバーSUVを3車種も抱えるメーカーへとなっている(そして日本ではセダンがラインアップから消滅)。
じつは3車種とも4WDを持たないFFのみとなるが、一部グレードにはアドバンスドグリップコントロールという、トラクションコントロールが装備される。これは、重量増加とコストアップを強いられる4WDを採用せず、走破性を高めるために採用されているものだ。
エンジンはガソリンの1.6リッターターボとディーゼルの2リッターターボという2種類で、6速ATが組み合わされる。ディーゼルモデルともなると、車両価格が400万円を超えるというまあまあの価格帯となるが、フランス車という点で個性は抜群。現に欧州では半数以上が新規のプジョーユーザーというデータがあるそうだ。
3)三菱・RVR
初代、2代目にはスライドドアを持ったクロスオーバーSUVという唯一無二の個性や、ランエボに搭載されたものと同形式の4G63インタークーラーターボエンジンを搭載したグレードが用意されるなど、コアなファンに支持されていたRVR。しかし2002年をもって2代目が終了してから8年間、RVRの名前は途切れることとなった。
そして2010年に再びRVRの名前が復活する。しかし、それまでのスライドドアを持ったクロスオーバーSUVではなく、5ドアのごくごく普通のSUVスタイルとなり、エンジンも1.8リッターNAエンジンのみと往年のRVRファンからすると物足りない内容と言わざるを得なかった。
しかし、8年の歳月で熟成を重ね、プジョー・4008やシトロエン・C4エアクロスとしてOEM供給(外観などはそれぞれのブランド向けにリファインされている)をするなど、クルマとしての評価は決して低いものではない。さらに昨年10月には他の三菱車で人気の特別仕様車「ACTIVE GEAR」を追加設定し、さらに商品力を向上させている。