交通容量がいっぱいになると渋滞が発生する
編集部・原田(以下、原):先生。渋滞の先頭は一体なにをしてるんでしょう。
永福ランプ(以下、永福):そんなことを今さらオレに聞くのか。
原:はい。永遠の疑問です。
永福:その質問は東大教授の西成活裕先生にしろ。『「渋滞」の先頭はなにをしているのか?』という本をお書きになっている。
原:ホントですか!? でも永福先生が目の前にいるので……。
永福:しからば教えて進ぜよう。渋滞の先頭、というかきっかけは、なんらかの減速である。
原:は? ネコの死体でもあるのでしょうか。
永福:その可能性もある。あるいは合流や車線変更。前提は、交通量が1車線あたり2000台前後まで増え、交通容量ギリギリになっていることだ。その状態では、何をきっかけに渋滞が始まってもおかしくない。ネコの死体でも落ちていれば、確実に渋滞が始まる。
原:渋滞はいつもネコの死体がきっかけなのですね!!
永福:なわけないだろ! 多くの場合は、鈍感ドライバーの無意識な減速がきっかけになっておる。お前のようにボーッとしたドライバーが、わずかな上り坂に気付かずにスピードを落としてしまい、後続車がおっとっととブレーキを踏む。それが徐々に増幅され、ついには停止にいたってしまうのだ。ヘタクソがつい減速してしまうのは、わずかな下り坂から上り坂に切り替わっている場所であることが多く、それを”サグ”と呼ぶ。よって渋滞は、たいてい同じところが先頭になる。そこでヘタクソが必ず減速をかますからだ。
原:じゃ、渋滞の先頭にはヘタクソドライバーがいるんですね!
永福:ずっといるわけではない。本人はまったく自覚のないまま、渋滞のきっかけを作って去って行くのだ。