ハイオク仕様のチューニングエンジンの場合は意味があることも
愛車のコンディションにこだわるユーザーやエンジンチューンを楽しんでいるオーナーのなかには、ガソリンの銘柄(ブランド)にこだわっているという人もいるだろう。とくにオクタン価の高いハイオクガソリンについてはブランドごとに独自の添加剤や清浄剤が使われているため、混入して使わないほうがいいという話もある。
まず、ハイオクについては国内の規格としてはオクタン価が96以上であることが求められている。ハイオクというとオクタン価100というイメージもあるかもしれないが、銘柄によって若干の幅はあるのだ。そして、オクタン価96と100を比べると、厳密には性能が異なる。とはいえ、燃料としての熱量に違いがあるわけではなく、オクタン価の高い燃料はノッキングを起こしづらいので点火時期を進めることができることに由来した性能差だ。
とくに、エンジンチューニングとして制御プログラムを書き換えているケースなどは燃料(オクタン価)の違いで点火時期が変わってしまうことを防ぐために、ガソリンの銘柄を指定する意味はある。逆に、ハイオクに合わせた点火時期制御を行っていないようなエンジンでは燃料による差はほとんど出ないといえる。
一方、レギュラーガソリンについては基本的に規格品といえるほどブランドごとの違いも少ない。いわゆる粗悪ガソリンを避けるようにする注意は必要だが、それほど気を使わなくてもいい。また、バーター取引といってレギュラーガソリンについては各社が融通しあっていることもあり、同じ系列のスタンドで入れ続けたからといって、他社の燃料が混ざっていないとは言い切れないのが実情だ。