事業者タクシーはどのLPガススタンドでも補充できるわけではない
日本の多くのタクシーの燃料はLPガスとなる。これはガソリンなどに比べ価格が安価なことから普及が広まったようだ。
ガソリンスタンドから比べれば、その数が少ないのがLPガスのスタンド。それではタクシーはどこのLPガススタンドでも燃料補充できるのかといえば、そうではない。ほとんどのタクシー事業者では、事業者単位でLPガススタンドと契約。タクシー乗務員がガス補充のたびに燃料代を支払うことがない代わりに原則的(長距離客を送り届けた先で燃料補充が必要になるなど特殊なケースは別)に契約スタンド以外では燃料充填はできない。また大手や準大手の事業者のなかには、LPガススタンド事業を自ら展開しているところも少なくない(一部事業者では乗務員負担というところもあるようだ)。
事業者ごとで事情が異なるかもしれないが、営業が終わり車庫に戻るときに必ずしも燃料を満タンにする必要はないようだ。車庫の近くには契約スタンドがあるので、出庫(営業開始)のときに満タンにすれば、ゴールデンタイム(料金が割り増しとなる午後10時から翌朝午前5時まで)前にロング客(長距離のお客)を乗せることも想定して満タンにしておくのが一般的のようである。
LPガス車はガソリン車などに比べパワーが出ないこともあるのか、燃費はけっして良くない。今はなき、クラウンコンフォートやY31セドリックあたりでは、リッター5㎞ぐらいが当たり前だったと聞いている。タクシーがLPガスを燃料とするメリットは燃料代が安いということがやはり大きいようだ。
クラウンコンフォートの後継としてデビューしたJPNタクシーはカタログ数値でJC08モード燃費が19.4㎞/Lとなっているが、実走行燃費ではだいたい15㎞/Lぐらいとの話を聞いている。ハイブリッド車にしてはあまり良くないようにも見えるが、クラウンコンフォートやY31セドリックに比べればはるかに数値は良いものといえるだろう。