高級感あふれるスタイリッシュなクーペデザイン
フォルクスワーゲンは高級車で成功したことがない。パサートは成功してるけど、あれデカい大衆車。パサートにW8エンジンを積んたこともあったけど、マニア物件で終わった。全長5m、W12まで積んだフェートン(日本未導入)は、世界中で鳴かず飛ばずだった。
傘下にはアウディやポルシェがいるのだから、本体があえて高級車を作らなくてもいいはず。最初から「なんで?」という部分はあるのだが、ドイツを代表する自動車メーカーとして、自社ブランドに高級車がないのはプライドが許さないって感じでしょうか?
で、今回日本に導入されたのが、5ドアクーペのアルテオンです。最大のターゲットと思われるのは、傘下のアウディA5スポーツバック。共食いじゃん! って感じだが、どう考えてもそれが一番近い。
ただし、A5スポーツバックよりサイズはデカい。全長で115mm、全幅で30mm、全高で45mmのプラスだ。A5とA7のちょうど中間くらいになりますね。
お値段は549〜599万円。すべてR-Lineの4モーション(4WD)で、エンジンは2リッターターボの280馬力+7速DCTだ。
ライバルのA5スポーツバックが546万円から。ただしクワトロは686万円。エンジンパワーも252馬力だから、アルテオンは「安い! デカい! 速い!」。じつは私、こういうの大好き! この世で一番重要なのはコスパ! コンビニスイーツも大好き! アルテオン、スバラシイじゃないですか!
実物を目にすると、やっぱお買い得感ビンビンだ。見た目は十分スタイリッシュで、堂々と幅広く見える。パサートもそうだけど、このところフォルクスワーゲンは、幅が広く見えるデザインに強いこだわりを持ってるみたいだ。
もうひとついいところ、それはアルテオンが「正体不明の高級車」に見えることだ。なんだかわかんないけど高級っぽいって、謎めいてていいじゃないか! デザイン的にも派手過ぎないので、目立ちたくないお金持ちにピッタンコですね。
走りのほうは、想像通りと申しましょうか。あんまり細かいことは書きませんが、「速いしとってもちゃんとしてるけど、質感はアウディには及ばない」です。
たとえば、クワトロはエンジン縦置きだけど、アルテオン(4モーション)はエンジン横置き。男の勲章的にはそこが無念である。A5スポーツバックのコンポーネンツをそのまんま流用してくれりゃ、「お買い得なアウディA5」ってことでさらに魅力は高まった気がするが、エンジン横置きがフォルクスワーゲンのアイデンティティなんスかね。
いずれにせよ、個人的にはアルテオン、好きです。じつはパサートCCも、その後継だったCCも、カッコいいと思ってた。理由はアルテオンと同じで、正体不明の高級車感がステキだから! これでディーゼルモデルがありゃなおいい。
つってもアルテオン、また販売面で苦戦してしまうのでしょうか。差別化の意味もあって、ディーゼル導入はパサート止まりだろう。また1ページ、歴史が繰り返されようとしております。